スーパーで買えるオーガニックキャットフード7選

スーパーで買えるオーガニックキャットフード7選

輸入食品
公開日時:2024/08/12
更新日時:2025/02/06

近年、健康志向の高まりとともに無添加食品やオーガニック商品の有用性が注目されていますが、ペットの食事における安全性はなかなか話題にあがりません。

けれど、犬や猫はヒトに比べて身体の大きさも小さく、有害物質を排出したり代謝する能力が劣るため、ペットフードに含まれる添加物のリスクがペットに与える影響は小さくはないと言えます。

実際、いくつかの添加物が、猫の肝臓に負担をかけたり、猫に対して毒性を持つこと等が報告されており、猫が中毒死した事例も存在ます。

今回は、キャットフードの添加物における有用性と危険性を解説しつつ、猫によって危険な添加物を見ていきます。

また、リスクを避けるための無添加のおすすめオーガニックキャットフードをご紹介します。

無添加の安全オーガニックキャットフード
製品名 Orijen オリジン キャットフード CUPURERA クプレラ キャット GATHER ギャザー フリーエーカー Natural Cat Food Company アランズナチュラル キャットフード GRANDS グランツ プレミアムキャットフード CANAGAN カナガンキャットフード YARRAH ヤラー オーガニックキャットフード グレインフリー
ORIJEN CATFOOD CUPURERA クプレラ キャットフード GATHER フリーエーカー キャット アランズナチュラル キャットフード GRANDS (グランツ) プレミアムキャットフード CANAGAN カナガン キャットフード チキン ヤラー (YARRAH) オーガニックキャットフード
メーカー ORIJEN CUPURERA GATHER Natural Cat Food Company GRANDS CANAGAN YARRAH
オーガニック認証 Safe Quality Food(SQF)、セーフフィード/セーフフード(SFSF)認証取得 CORオーガニック認証、USDAオーガニック認証取得 欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF) AAFCO(米国飼料検査官協会)、FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)認証済 欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF) EUオーガニック認証、EKO認証、AB認証、Beter Leven認証、MSC認証 、B Corp認証済
主な原材料 鶏肉, 七面鳥肉, 全卵, 鶏レバー ラム肉、ひきわりミレット、ひきわり玄米、魚類 チキン、乾燥チキン、エンドウ豆、レンズ豆、鶏脂肪 チキン・ターキー、乾燥チキン、ターキー生肉 脱水チキン、フレッシュチキン、脱水サーモン、チキンファット 乾燥チキン、チキン生肉、サツマイモ、ジャガイモ、チキンオイル 乾燥鶏肉、タピオカ、グリーンピース、イエローピース、米たんぱく質、鶏脂
原産国 アメリカ オーストラリア カナダ イギリス フランス イギリス オランダ
購入

キャットフードに使われている添加物

キャットフードに使われている添加物

日本で販売されているキャットフードは、ペットフード安全法によって管理されており、添加物に関しても使用が許可されている種類や使用量の上限などが規定されています。

酸化防止剤

酸化防止剤はキャットフードの劣化を防ぎ、保存性を高めるため、また栄養価や風味を保持する効果もあります。

キャットフードの脂肪などの成分が酸化すると品質が低下し、猫の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

酸化防止剤は以下のような効果があります。

保存期間を延ばす(脂質の酸化防止)

キャットフードに含まれる脂肪酸は酸化しやすく、酸化が進むと風味が落ちるだけでなく栄養素も失われます。酸化防止剤は酸化を防ぎ、鮮度と栄養価を維持します。

栄養素の保護(免疫システムのサポート)

ビタミンC、Eは免疫を強化し、活性酸素から細胞を保護する役割を持っていますが、酸化によってこれらのビタミンは失われます。酸化防止剤によってキャットフードに含まれる脂溶性ビタミンが守られ、栄養価を保ちます。

病気の予防や老化の抑制

活性酸素による細胞の損傷は、猫の老化や病気の原因になります。酸化防止剤は細胞の酸化ストレスを軽減し、病気の予防や老化の抑制に寄与します。

キャットフードに使われる主な酸化防止剤
種類 説明
天然酸化防止剤 ビタミンE(α-トコフェロール) 脂肪の酸化を防ぎ、細胞膜を保護し、免疫機能をサポートします。
ビタミンC ビタミンEの再生を助け、酸化防止効果をさらに高めます。
ローズマリーエキス 天然由来の酸化防止剤で、化学的酸化防止剤の代替として使用されています。
合成酸化防止剤 BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール) 脂肪の酸化を防ぎ、保存期間を延ばしますが、発がん性リスクが指摘されています。
BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン) 脂肪の酸化を防ぎますが、BHAと同様に発がん性の懸念があります。
エトキシキン 強力な酸化防止作用を持ちますが、安全性への懸念があり、多くの国で使用が制限されています。

参考:VCA Animal Hospitals / Hill’s Pet Nutrition / PetfoodIndustry

保存料

保存料は、キャットフードの腐敗や微生物の繁殖を抑制し、保存期間を延長させるとともに、食中毒リスクを減らすなど、猫の健康を守るために添加されます。

保存料には以下のような効果があります。

酸化防止

酸化防止剤の項目参照

微生物の繁殖抑制

保存料は、細菌、カビ、酵母などの微生物の繁殖を抑え。食品の腐敗を防ぐ効果があります。

例えば、ソルビン酸カリウムやプロピオン酸カルシウムなどは、多湿環境でも微生物の繁殖を防止するため製品の消費期限を延ばす役割を持っています。

キャットフードに使われる主な保存料
成分名 説明
天然保存料 クエン酸 食品中のpHを低下させることで、酸化を抑制し、保存期間を延ばす役割を果たします。
合成保存料 ソルビン酸カリウム カビや酵母の成長を抑制し、キャットフードの腐敗を防ぎます。保存期間を延ばし食品の安全性を高めます。
プロピオン酸カルシウム 主に細菌やカビの繁殖を防ぐために使用され、保存期間中に食品が腐敗するのを防ぎ、安定した品質を保ちます。
亜硝酸ナトリウム 微生物の成長を強力に抑制するための保存料として使用され、保存期間中の細菌やカビの発生を防ぎますが、発がん性のリスクがあるため注意が必要です。

参考:Spot Canada on Preservatives / FEDIAF Nutritional Guidelines / Rawz Natural Pet Food – Ingredients to Avoid

着色料

着色料は、製品に鮮やかな色を付けるために使われ、食品の劣化などによる色の変化を補正し、均一な見た目を保持する役割を持ちます。

キャットフードには、合成着色料と天然着色料の両方が使用されており、それぞれの効果を発揮します。

天然着色料

天然着色料は、果物や野菜などの自然な源から抽出される色素で、キャットフードに自然な色合いを与えるために使用されます。

合成着色料

合成着色料の主な原材料は、石油由来の化学物質やタール色素です。

天然着色料と比較してコストが低く、色が安定しており、長期間保存できるという利点があります。

また、色の発色が強く、少量で効率的に製品の見た目を変えることができるため、食品業界やペットフード業界で広く利用されています。

しかし、健康への影響が懸念されており、いくつかの国では特定の合成着色料の使用が禁止されています。

キャットフードに使われる主な着色料
種類 説明
合成着色料 赤色40 ソフトドリンクや菓子などにも使用され、鮮やかな赤色を引き出しますが、発がん性や過敏症のリスクが指摘されています。
黄色5 ゼリー、飴、焼き菓子や、ペットフードにも使用され、黄色の色調を付けますが、アレルギー反応や発がん性リスクが懸念されています。
青色1 ソフトドリンクなどにも使われます。青色の発色をします。動物実験で腫瘍のリスクが示唆されています。
天然着色料 ビーツ 深い赤色を付け、抗酸化作用を持つベタレイン色素を持っています。
クルクミン 鮮やかな黄色をつけ、抗酸化作用を持つ天然成分として使用されます。
カーマイン コチニール虫から抽出された赤色の天然色素で、自然な赤色を付けます。

参考:Cat Ster / Petfood Industry

香料

香料(フレーバー)の目的は食欲を喚起させ、満足度を高めるために使われます。

キャットフードにおける香料は、猫の嗅覚を刺激して食欲を増進し、特に食欲のない猫や、特定の療法食を必要とする猫に対して有効です。

食欲増進

キャットフードで使われる香料は肉や魚をベースにした香料が多く、猫の食欲を促進させます。

医療用ダイエットのサポート

病気や肥満の猫に対して、香料は療法食の食べさせるための役割も果たします。

通常の食事に比べて味が異なる食べ物に猫が抵抗を感じる場合、香料を使うことで嗜好性を高め、必要な栄養を摂取させることができます。

長期保存と安定性

一部の香料は保存料としても使われ、風味を長期間維持し、劣化を防ぐ効果があります。

キャットフードに使われる主な香料
種類 説明
酵母エキス 酵母はキャットフードに使われる最も一般的な天然香料の一つで、旨みを添加しチーズや肉のような風味を付けます。
加水分解タンパク質 加水分解された動物性タンパク質は、主に肉の風味を引き出すために使われます。
モノナトリウムグルタミン酸 (MSG) MSGは、旨味を強化するために使用される合成香料です。主に肉や魚の風味を際立たせるために使用され、猫の食欲を引き出す効果があります。ただしMSGの使用については、健康への影響が懸念されています。

参考:GlobalPETS / PetfoodIndustry / The Nest on Flavor Enhancers for Cats

増粘剤

キャットフードに使用される増粘剤は、食品の質感を調整し、食感を改善するために使われます。

増粘剤は、食品の粘度を高めて形状を保ち、ウェットなキャットフード(缶詰など)の安定性を向上させます。

以下は、キャットフードに使用される主な増粘剤の効果です。

質感・粘度の改善

キャットフードに猫が食べやすいように滑らかな食感を作ります。ウェットなキャットフードの形状を保持し、味がより均一になる効果があります。

安定性の向上

食品の成分を均一に分散させ、製造・輸送の間に分離しないように安定性を向上させ品質の劣化を防ぎます。

水分の保持

水分を閉じ込め、ウェットな食感を維持するのに役立ちます。

キャットフードに使われる主な増粘剤
種類 説明
カラギーナン 赤い海藻から抽出された天然の増粘剤で、主にウェットなキャットフードに使用されます。食品の粘度を高め、食感を安定させます。
グアーガム グアー豆から抽出される天然の増粘剤で、滑らかな食感を作ります。腸内環境を整えますが、適切な量での使用が推奨されます。
キサンタンガム 微生物の発酵によって生成される天然の増粘剤で、グレインフリーや低アレルゲンのキャットフードに使用され、質感を改善します。消化に優しいため、アレルギー反応のリスクが低いとされています。

参考:Catster / CatCentric / Vet Explains Pets

ペットフードによる健康被害

近年、ペットフードに含まれる添加物や汚染物質が原因で、犬や猫の健康被害が相次いで発生しました。

以下は、ペットフードのための法律が整備される契機となった大きな実害事件です。

ペットの健康被害

メラミン汚染事件

2007年に起きたペットフードリコール事件は、中国から輸入されたペットフードにメラミンとシアヌル酸が混入しており、多くの犬や猫が腎不全を引き起こし死亡しました。
リコールされた商品は約100ブランド、6,000万個以上にもおよび、FDAは800トンの偽造小麦グルテンが輸入されたことを発表しました。
米国食品医薬品局(FDA)への消費者報告によると、汚染された食品を食べた約1,950匹の猫と2,200匹の犬が死亡したとされています。

参照:Melamine recalls shaped pet food trends, safety programs | Petfood Industry

アフラトキシンによるリコール事件

2020年に、Midwestern Pet Foodsが製造したSportmix High Energyペットフード製品が、アフラトキシン(カビ毒)の過剰なレベルを含んでいたことが発覚し、大規模なリコールが行われました。この事件では、70匹以上のペットが死亡し、さらに80匹以上が病気になったと報告されています。アフラトキシンは、穀物に含まれるカビによって生成され、ペットに重篤な健康被害を引き起こすことがあります。

参照:70 pets dead; Sportmix High Energy pet food recall grows | Petfood Industry

サルモネラ菌・リステリア菌汚染

ペットフードにおいてサルモネラ菌やリステリア菌の汚染も多く見られます。2023年には、特定のペットフード製品でこれらの菌が検出され、リコールが発生しました。サルモネラ菌はペットだけでなく、人間にも感染するリスクがあり、ペットの食事や取り扱い中の衛生管理が重要とされています。

参照:FDA found Salmonella and Listeria in Answers Pet Food for dogs | Petfood Industry

ペットフード安全法

2007年の事件は米国の業界全体に衝撃を与え、ペットフードの安全基準強化の契機となりました。

ペットフード供給業者の監視と安全性のテストが強化されただけでなく、消費者の要求と法的要件も影響を受けました。

例えば、2007年のリコール後、「小麦グルテン不使用」「国産」というラベル表示が増えたといいます。

この事件をきっかけに、日本国内でもペットフードに含まれる添加物や製造過程の安全性に対する監視の必要性が高まり、2009年6月に「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称「ペットフード安全法」)が施行されました。

ペットフード安全法の目的
①安全性の確保: ペットフードの原材料、製造過程、輸入に関する規制を設け、品質や安全性を確保すること。
②消費者の安心感: 原材料の表示義務化や添加物の使用基準の設定により、消費者がペットフードの安全性を確認できるようにすること。
③健康被害の予防: ペットの健康に害を及ぼす可能性がある物質の規制を強化し、将来的な健康被害を防ぐこと。

この法律により、ペットフードに使用する原材料の表示が義務付けられ、一定の安全基準を満たしていない製品の流通が禁止されました。また添加物の使用基準も厳格化され、飼い主が以前よりも安心してペットフードを選べるようになったと言えます。

しかしながら、ペットフードに使われているいくつかの添加物は、ヒトに対する発がん性が懸念されているため注意が必要です。(人間向けの製品では使われていないものも多くあります。)

次項では、キャットフードに含まれるリスクの高い添加物を解説します。

キャットフードに含まれる危険な添加物

キャットフードに含まれる危険な添加物

キャットフードに含まれる添加物の中には、猫の健康リスクを引き起こす可能性が心配されるものもあります。

以下は、リスクが懸念される添加物です。

亜硝酸ナトリウム

亜硝酸ナトリウムは、主に保存料として加工食品などに使用され、食中毒の原因となるボツリヌス菌の繁殖を防ぐために添加されます。

また食品の色を保持する目的でも使われ、肉製品に赤みを与える効果もあります。

しかしながら亜硝酸ナトリウムには健康リスクが指摘されており注意が必要です。

発がん性

長期的な亜硝酸ナトリウムの摂取が、胃がんなどのリスクを高める可能性があるとされています。研究によれば、亜硝酸の摂取量が0.1mg/日増加することで、胃がんのリスクが7%増加することが示されています。(※1)

メトヘモグロビン血症

亜硝酸ナトリウムが体内で反応してメトヘモグロビン血症を引き起こすことがあります。

この状態では、血液中の赤血球が酸素を適切に運搬できなくなり、組織が酸素不足に陥ることがあります。この問題は特に乳幼児や免疫力が低下しているペットに影響を与える可能性があります。(※2)

脳や神経系への影響

動物実験では、亜硝酸ナトリウムの摂取によって脳内の酸素欠乏状態が引き起こされ、脳損傷や行動の異常が観察されています。

※1: Dietary Nitrates, Nitrites, and Nitrosamines Intake and the Risk of Gastric Cancer: A Meta-Analysis
※2: Human safety controversies surrounding nitrate and nitrite in the diet
※3: Hippocampal and cerebellar histological changes and their behavioural repercussions caused by brain ischaemic hypoxia experimentally induced by sodium nitrite

BHA / BHT

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、酸化防止剤として食品や、ペットフードに使用されることがありますが、これらは長期摂取により肝臓や腎臓にダメージを与える可能性が指摘されています。また、発がん性のリスクも示唆されています。

発がん性

動物実験で、BHAおよびBHTが発がん性があると報告されています。特にBHAは、ラットの胃腺腫瘍などと関連づけられており、国際がん研究機関(IARC)では、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類しています。BHTに関しても、長期間の高濃度摂取がラットで腫瘍の形成を促進する可能性が示唆されています。

肝臓への影響

BHA/BHTは、動物の肝臓機能に影響を与える可能性があり、高用量の摂取によって肝臓障害を起こすリスクを指摘されています。

内分泌かく乱作用

一部の研究では、BHA/BHTがホルモンに影響を与え、内分泌かく乱作用を引き起こす可能性が示唆されており、生殖系や発達に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

1986年に国際がん研究機関(IARC)はBHAを「ヒトに対して可能性のある発がん物質」と分類しています。BHTに関しても、動物実験において腫瘍の発生を促進する効果が報告されています。
参考文献: IARC, “Monographs on the Evaluation of the Carcinogenic Risk of Chemicals to Humans,” Vol. 40, 1986.

エトキシキン

エトキシキンは植物成長調整剤や抗酸化剤として使用される合成酸化防止剤の一つです。元々はゴム産業で酸化によるゴムのひび割れを防ぐために使われていましたが、米国のモンサント社によって動物飼料の防腐剤として採用されるようになりました。

現在、米国では酸化防止剤として食品への使用が認められており、また缶詰のペットフードや養殖魚や家禽の飼料の抗酸化剤として使用されています。

日本国内では、食品や農薬への使用は禁止されていますが、飼料やペットフードへの添加は認められているので注意が必要です。

エトキシキンの毒性についての研究では、犬が最も影響を受けやすく、肝臓、腎臓、甲状腺、生殖機能障害、催奇形性、発癌性、アレルギー反応などの症状が報告されており、動物の体重減少や臓器障害などの症状が確認されています。(※4)

発がん性

発がん性:DNA損傷を引き起こす活性酸素の生成を促進し、細胞の酸化ストレスを引き起こします。これにより、細胞ががん化するリスクが高まります。

変異原性:染色体異常(染色体切断、染色分体交換など)を誘発し、遺伝物質に永久的な変化をもたらす可能性があります。これらの変異原性効果は、試験管内でのヒトリンパ球や動物細胞を用いた実験で確認されています。

細胞代謝への影響

細胞代謝阻害:腎臓や肝臓細胞のミトコンドリア機能を阻害し、エネルギー代謝に関わるATPase活性を低下させることが示されています。この影響は細胞内のエネルギープロセスを大きく阻害する可能性が示唆されています。

ミトコンドリアへの影響:ミトコンドリアの酸素消費を抑制し、細胞のエネルギー生成に悪影響を及ぼすことが確認されています。これにより、細胞機能が低下し、組織の損傷につながる懸念があります。

肝臓・腎臓への影響

エトキシキンの摂取が肝臓と腎臓に重篤な損傷を与えることが観察されており、ラットの実験では腎臓や膀胱にまでその影響が及ぶことが報告されています。また体重減少や消化器系の異常も確認されています。

アポトーシス・細胞毒性

アポトーシス誘発:エトキシキンはヒトリンパ球などの細胞にアポトーシス(細胞死)を引き起こすことが確認されています。一定の濃度以上で細胞の生存率を著しく低下させるため、細胞の正常な機能が阻害されることが懸念されています。

細胞毒性:エトキシキンの濃度が増すと、細胞の生存率が低下し、最終的に細胞の壊死やDNA損傷が発生する可能性があります。

※4: Ethoxyquin: An Antioxidant Used in Animal Feed

2001年にカリフォルニア大学デービス校の研究により、エトキシキンが猫の肝臓に負担をかけることが確認されています。また、ヨーロッパではこの成分の使用が制限されています。
参考文献: California Environmental Protection Agency, “Proposition 65 Listing of Ethoxyquin,” 2001.

カラギナン

カラギナンは、海藻から抽出された天然の多糖類で、主にウェットなペットフードなどで増粘剤や安定剤として広く使用されています。しかし、カラギナンの分解物である「ポリギーナン」に発がん性のリスクが指摘されています。

カラギナンとポリギーナンの違い

カラギナンは、食品添加物として使用される際には「食用グレードのカラギナン」として精製されており、安全性が認められています。

ポリギーナンは、カラギナンが酸性環境下で分解されてできる低分子量の化合物で、発がん性や腸の炎症を引き起こすリスクがあるとされています。ポリギーナンは一般的には食品添加物としては使用されておらず、研究対象としてのみ扱われています。

カラギナンの安全性

カラギナンとポリギーナンの違い:食品用に使用されるカラギナンは、通常の消化プロセスではポリギーナンに分解されないとされています。ただし、極端に酸性の条件や高温下では一部が分解される可能性があるため、腸内での発がんリスクに関連するのではないかという懸念があります。

規制機関の見解:FAO(国連食糧農業機関)やWHO(世界保健機関)などの国際機関は、食品用カラギナンの使用を安全であると認めています。しかし、ポリギーナンの使用は許可されていないため、カラギナンがどの程度ポリギーナンに変化するかについての研究が続けられています。

ポリギーナンの発がん性リスク

一部の動物実験や細胞試験において、ポリギーナンが腸内の炎症反応を引き起こし、長期的にがんの発症リスクを高めることが示唆されています。

ポリギーナンは腸の細胞に直接ダメージを与え、炎症を誘発し、これが慢性的な状態になることでがん化のリスクが増すと考えられています。ただし、研究によっては低リスクとの報告もあるため、ポリギーナンの発がん性に関する結論は議論の対象として続いています。

合成着色料

合成着色料は、食品や飲料などの製品の見た目をより鮮やかに、魅力を高める目的で使われますが、スーパーやホームセンターなどで売られているキャットフードにも使われています。

ペットフードに使われる代表的な合成着色料の多くは石油やタールを原材料に作られており、猫に対してアレルギー反応、腎臓障害などの健康リスクをもたらす可能性があります。

欧米などで禁止されている合成着色量でも、日本ではキャットフードにしばしば使われており注意が必要です。

以下は現在でも国内のペットフードに使われる主な合成着色料です。

赤40号(Allura Red AC)

赤40号は石油由来の合成着色料で、食品、飲料、ペットフードに広く使用される赤色の着色料です。

主にキャンディ、清涼飲料、アイスクリームなどの食品などに使われ、他の赤色着色料とともに国内産のキャットフードにも使われています。

日本やアメリカでは、赤40号は食品添加物および飼料添加物として広く使われている一方、欧州では自主規制の対象となっており、北欧などでは厳しい制限が設けられています。

いくつかの実験では赤40号が、結腸の炎症を促進し、大腸炎を引き起こす可能性が示唆されています。

EU食品科学委員会は、赤40号の1日許容摂取量(ADI)を0〜7 mg/kg体重/日と設定しており、特に1歳〜10歳の子どもの摂取は、多動性障害などの症状を引き起こす可能性があり注意が必要です。

いくつかの安価なキャットフードに使われています。

Allura Redは、ADI用量を4週間投与されたラットの肝臓と腎臓に組織病理学的及び生理学的異常を引き起こしました。ADI投与の6週間後、ラットは空間記憶障害とグリア細胞数の減少という行動兆候を示しましたが、高用量(ADIレベルの10倍)は前頭前野の複数の構造変化を伴い、学習と記憶にさらに大きな影響を及ぼすことが示されました。(※ADI=実験動物に何ら毒性影響が認められない無毒性量を、更に安全を見込んで安全係数(通常100:種差10×個体差10)で割った値)

参考:The synthetic food dye, Red 40, causes DNA damage, causes colonic inflammation, and impacts the microbiome in mice
参考:MDPI – Food Safety and Health Concerns of Synthetic Food Colors

赤102号(New Coccine, Ponceau 4R)

赤102号は、食紅の原料として加工食品をはじめ、多くの商品に使われているアゾ系染料です。これまでの研究で毒性が指摘され、特に消化器系へのDNA損傷などの懸念が示されています。

マウスを用いた実験で、赤102号が10mg/kgの用量で結腸のDNA損傷を引き起こしたことが報告されています。市販の紅ショウガ漬けの浸出液(赤102号6.5 mg/10mlを含有)を使った試験でも、結腸、腺胃、膀胱でDNA損傷が確認されています。(※6,7)

多くの国で規制が強化されていますが、国内ではキャットフードにも使われており、今後、赤102号や他のアゾ系染料に対するより厳密な評価と監視が求められています。

※6:DNA damage induced by red food dyes orally administered to pregnant and male mice
※7:Action of Ponceau 4R (E-124) food dye on root meristematic cells of
Allium cepa L.

黄4号(Tartrazine)

黄4号は、ゼリーなどのお菓子類、加工食品や飲料に黄色の水溶性アゾ系染料として使用されています。代替する天然着色料がありますが、安価な着色料としてキャットフードにも使われています。

欧州食品安全機関(EFSA)の報告によると、少数の人でアレルギー反応を引き起こすとされています。

じんましん、血管性浮腫、喘鳴、白血球破砕性血管炎などが報告されており、特に感受性の高い人に影響を与える可能性があります。

ただし反応は非常に稀で、頻度は1%未満です。

現在の一日摂取許容量(ADI)の範囲内では安全とされていますが、高用量では遺伝毒性や細胞毒性が発現します。また、抗酸化物質が毒性を軽減する可能性がありますが、さらに研究が必要とのこと。

参考:食品業界におけるタートラジンの安全性と潜在的な保護因子

黄5号(Sunset Yellow)

黄5号は、たくあんなどの食品や、菓子類、化粧品、医薬品など幅広く使われている合成着色料です。安価なキャットフードにも使われています。

日本やアメリカでは使用が認められていますが、EUは潜在的な健康上の懸念から使用を禁止しています。

黄5号の使用は、現行の許容摂取量(ADI)では安全とされているものの、特に子どもや感受性の高い動物に対しては注意が必要です。長期間の使用や高濃度での摂取は、免疫抑制や行動異常のリスクを増加させる可能性があります。(※5)

生殖・神経行動への影響
マウスを使った研究では、黄5号の摂取が生殖機能や神経行動に影響を与える可能性が報告されています。特にマウスの胸腺重量の減少や免疫系の抑制が観察されました。

免疫系への影響
黄5号は免疫調節効果を持つ可能性が示されています。具体的には胸腺や脾臓の機能変化が報告されており、これが免疫系全体の発達に影響を与えることが懸念されています。また、T細胞やB細胞の機能が抑制され、サイトカインの産生が低下することが観察されており、感染症やウイルス性腫瘍に対する抵抗力の低下が懸念されています。

子どもの摂取量とリスク
黄5号を含む添加物が、多動行動(ADHD)の増加に関連する可能性も指摘されています。

※5 Sunset yellow FCF, a permitted food dye, alters functional responses of splenocytes at non-cytotoxic dose

二酸化チタン

二酸化チタンは、食品に白色を付けるための着色料として使用され、1969年にFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)で安全性が確認されました。日本でも1983年から指定添加物として承認され、ホワイトチョコレートやガムなどに使用されており、国内のキャットフードにも使われています。

食品添加物に関するリスク評価によれば、ナノ粒子が含まれると、人体に対するリスクが増大する可能性が示唆されています。

二酸化チタンは肝臓や脾臓などに蓄積し、酸化ストレスや炎症反応、遺伝的異常を引き起こすことが確認されており、特に、ナノ粒子の含有率が10%を超える場合、重大なリスクが発生するため、食品含有量に対しては注意が必要です。

IARC(国際がん研究機関)では、実験動物で発がん性があるという十分な根拠があるとして、2010年に従来の3(ヒトに対する発がん性について分類できない)から2Bに再分類しており、欧州委員会の保健衛生・食の安全総局でも2021年9月の改正で、二酸化チタンを発がん性カテゴリー2に分類しました。

EUでの禁止理由
EUは2022年に食品添加物としての使用を禁止しました。理由は、二酸化チタンがナノ粒子サイズで遺伝毒性のリスクが指摘されたためです。EFSAは2021年にそのリスクを再評価し、安全性が確認できないとの結論を出しました。

EU以外の国の対応
英国、カナダ、オーストラリアなどはEFSAの結論を支持せず、食品添加物としての使用を継続しています。これらの国々は、EFSAと同じデータを精査しましたが、専門家の解釈の違いにより、異なる結論に達しました。

日本での議論
日本では2021年以降、厚生労働省や食品安全委員会で二酸化チタンの安全性について議論が行われました。2023年には国内の動物実験結果や国際的なデータを踏まえ、二酸化チタンは現行の使用量では人体に安全上の問題がないと結論づけられました。

JECFAの再評価
2023年、JECFAは再評価を行い、1969年の「ADIを特定しない」という結論を維持しました。遺伝毒性に関する根拠は不十分であり、さらなる研究が必要とされています。

参考:着色料として用いられる食品添加物、二酸化チタンを解説します(食品安全委員会)
参考:Risk assessment of titanium dioxide nanoparticles via oral exposure, including toxicokinetic considerations

グリシリジン・アンモニエート

グリシリジン・アンモニエートは、甘草から抽出される甘味成分「グリチルリチン酸」をベースとした人工甘味料です。

甘味は砂糖の約50倍とされ、菓子、医薬品、ペットフードに甘味料として利用されています。また抗炎症、抗アレルギー、抗ウイルスなどの効果を持つとされています。

米国・EUではその使用量が規制されており、一部の医薬品や食品のみ認可されています。国内ではその安全性への懸念から食品に使用されていません。

キャットフードでは嗜好性を高めるために使われていますが、できれば避けたい添加物の一つです。

毒性
過剰摂取により、副腎皮質ホルモンの働きを高め、血圧上昇やカリウム不足、浮腫(むくみ)などを引き起こす可能性があります。特に肝臓や腎臓機能に問題がある人に対しては注意が必要です。

参考:AMMONIUM GLYCYRRHIZINATE: A COMPREHENSIVE REVIEW OF ITS TRADITIONAL USE, PHYTOCHEMISTRY, PHARMACOLOGY & SAFETY

安全なオーガニックキャットフードの選び方

安全なオーガニックキャットフードの選び方

ここまで国内のキャットフードに使用されている添加物について解説してきました。

ここからは安心安全なオーガニックキャットフードを選ぶためのチェックポイントをご紹介します。

信頼できる認証機関の基準を満たしているか

オーガニック食品に記載されているオーガニック認証ですが、ペットフードにもそれぞれの機関の認証基準が存在します。

下記はオーガニックキャットフードに表記されている主な認証です。

キャットフードにおける主なオーガニック認証
EUオーガニック認証(Euro leaf) USDAオーガニック認証 EKO認定(Stichting EKO Keurmerk) イタリア農水省オーガニック認証(CCPB) AB (Agriculture Biologique) Bio-Siegel CORオーガニック認証 DEBIO(ノルウェー政府認定有機漁場) bio kreis(ビオクライス) SQF
EUオーガニック認証(Euro leaf) USDAオーガニック認証 EKO認定(Stichting EKO Keurmerk) イタリア農水省オーガニック認証(CCPB) AB (Agriculture Biologique) Bio-Siegel CORオーガニック認証 DEBIO(ノルウェー政府認定有機漁場) bio kreis(ビオクライス) SQF(Safe Quality Food)
認証機関: 欧州委員会(European Commission)
特徴・認証条件: 欧州全体で統一された有機認証で、遺伝子組換え作物の禁止、化学肥料や農薬の制限、動物福祉の確保を基本としています。畜産では100%有機飼料を使用し、成長促進剤の使用を禁止。また、生産から消費までのすべての段階で基準を守ることが求められます。
認証機関: 米国農務省(United States Department of Agriculture)
特徴・認証条件: 米国で最も認知度の高いオーガニック認証。生態系の保護、生物多様性の促進を重視し、化学肥料や遺伝子組換え原料、成長ホルモンなどの使用を禁止しています。農産物は3年間禁止物質を使用せず、畜産物はオーガニックな管理基準に従うことが条件です。
認証機関: Stichting EKO Keurmerk(オランダ)
特徴・認証条件: オランダ国内の有機農産物に適用される認証で、EKO認定は、EUオーガニック基準をさらに強化したもので、農業経営全体がオーガニックであることを求めます。一部の土地や生産物のみのオーガニック認定は許可されません。土壌保護のため、根菜の栽培は50%以下、土地の30%は休閑地、5%は自然保全に使うことが義務付けられています。また、持続可能なエネルギーの使用、消費者との直接的なコミュニケーション(例:直販や見学の受け入れ)も条件に含まれます。EKOはEUのオーガニック農地目標達成にも貢献しています。
認証機関: CCPB(Certification & Control in Organic Products)
特徴・認証条件: 主にイタリア国内で適用され、食品、飲料、化粧品にまで広がるオーガニック認証です。
イタリア農林食料政策省の承認を受けた有機生産認証機関であり、EC規制に準拠した農業食品や非食品の検査・管理を行います。イタリア国内で13,000の企業を認定し、EOCCやIFOAMとも提携、日本の有機JASにも登録されています。
EUの有機規制に加え、イタリア独自の厳しい環境基準や品質管理に基づいて認証されます。
認証機関: フランス農業・食料省
特徴・認証条件: フランス政府は1981年にオーガニック指針を策定し、1985年から国家認定としてAB(Agriculture Biologique)認証を導入しました。この認証は、オーガニック材料を95%以上含む製品に適用され、EU圏内で生産・加工されたものが対象です。AB商標は、欧州規則に基づいており、他のEU加盟国でも無償で使用可能です。また、国の規制に準拠する必要があるペットフードでも許可されます。
認証機関: ドイツ連邦農業・食糧省
特徴・認証条件: Bio-Siegelは、EUの有機農業規則に基づく認証ラベルで、ドイツで使用されているエコラベルです。このラベルをオーガニック食品のパッケージや広告に使用するには、厳格なEUの規制(EU規則2018/848)に準拠している必要があります。オーガニック食品や飼料には、原材料の95%以上が有機栽培されたものであることが求められます。
認証機関: カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency)
特徴・認証条件: カナダの有機認証制度CORは、カナダ食品検査機関 (CFIA) が管理するオーガニック認証マークで、95%以上有機成分を含む製品に対してのみ付与されます。この制度は農産物や加工食品(酒類を含む)を対象とし、COR認証を受けることで米国や台湾への輸出が可能です。原材料にはCOR、NOP(米国認証)、有機JAS認証のものが使用できます。
認証機関: DEBIO
特徴・認証条件: Debioはノルウェーの有機製品認証機関であり、農場、養殖場、加工業者、輸入業者などを対象に、ノルウェーの有機規則に従った検査と認証を行います。輸入品にも使用され、原産国で認定された製品がノルウェーの規則に準じている場合に適用されます。農業と水産養殖の両方が対象で、EU規則8に基づき、サーモン、マス、タラなどの養殖魚も対象です。
認証機関: BioKreis e.V.
特徴・認証条件: Biokreis e.V.は、地域の経済循環と持続的なバリューチェーンに重点を置いたドイツの有機認証団体で、1979年に設立されました。2007年より開始された「地域および公正」のための認証は、特に環境に配慮したな取り組みを行うオーガニック企業に付与されます。それrは農産物の直接販売、養蜂、食品加工を対象に、短距離輸送、信頼性の高い市場パートナーシップ、農家への公平な報酬、地域文化の保護を重視しています。また、製品の原材料は地域で生産されたもので、原則として250km以内で調達される必要があります。
認証機関:世界食品安全イニシアチブ
特徴・認証条件:SQF(Safe Quality Food)認証は、食品の安全性、品質、セキュリティを確保するために、国際基準や規制に準拠していることを第三者機関が検証するシステムです。この認証は、食品の製造、調理、取り扱いのプロセスが最高基準に基づいて行われていることを保証するものです。SQFは、世界食品安全イニシアチブ(GFSI)によって承認された食品安全基準であり、グローバルに認められた安全基準に準拠していることを示します。

原材料の安全性は担保されているか

オーガニックキャットフードと表記されていても、商品によってはオーガニック原料の割合が低かったり、肉や魚などの主原料はオーガニックではなく、素材割合の低い副原料のみオーガニック素材を使っている場合もあるので注意が必要です。

キャットフードを選ぶ際には、しっかり原材料・成分表の欄を確認しましょう。

良質な動物性たんぱく質が主原料として使われているか

次項の「アレルギー素材が使われていないか(グレインフリー)」でも取り上げますが、猫は肉食動物ですので、肉や魚などの表記が一番最初に書かれているものを選びましょう。

また、肉や魚などのたんぱく質が原料でも、次に挙げるような原材料が書かれているキャットフードは劣悪な原料が使われている場合があるので要注意です。

注意が必要なたんぱく質類
タンパク加水分解物
動物性油脂
肉類
魚介類
〇〇フレーバー
〇〇エキス

リスクのある添加物が使われていないか

市販のキャットフードの中には、嗜好性を高めるための人口着色料や発色剤、食感を調整するための増粘剤や、品質維持のための保存料を添加した商品が数多くあります。

キャットフードに含まれる危険な添加物」の項でも解説した添加物には、特に注意が必要です。

天然由来の保存料例
亜硝酸ナトリウム(発色剤)
BHA / BHT(酸化防止剤)
エトキシキン(酸化防止剤)
カラギナン(増粘剤)

また、商品の品質を長期に渡り維持するには保存料が欠かせませんが、酸化防止剤などの保存料が添加されている場合は注意が必要です。

できれば保存料も天然由来のものを選び、合成酸化防止剤を使った商品は避けるのが無難です。

天然由来の保存料例
ローズマリー抽出物
緑茶抽出物
ミックストコフェロール(ビタミンE)
クエン酸

アレルギー素材が使われていないか(グレインフリー)

猫は肉食動物であるため、植物性食材(小麦、トウモロコシ、豆類、芋類)や穀物類などは消化しにくく、必要な栄養素を摂取できない場合があります。

また、飼っている猫が穀物アレルギーを持っている場合は、原料にアレルゲンが含まれていないか確認しましょう。

猫の植物性の原材料は猫の病気の一因になる可能性もあります。

原材料のチェックポイント
グレインフリーとグルテンフリー:穀物全般は猫の消化に負担がかかり、アレルギーを引き起こすことがあります。グレインフリー(穀物不使用)やグルテンフリー(小麦不使用)のフードが推奨されます。
アレルギーのリスク:オーガニックフードで品質に問題がなくても、穀物アレルギーがある猫には穀物を含むフードは適していません。原材料表示をよく確認し、なるべく肉類を主原料とするキャットフードを選びましょう。

食いつきが良く、好みに合っているか

オーガニック原材料で作られており、不要な添加物が含まず健康に良いもので合っても、飼い猫の好みに合わず食べてくれなければ本末転倒です。

ですから、愛猫の体質と嗜好に合って、食いつきの良いキャットフードであることは何より重要です。

愛猫の好みを見つけて「美味しそうに食べるキャットフード」を選ぶことが大切です。

猫の健康リスクが少ないキャットフード7選

安心安全のキャットフードを選ぶ基準を見てきました。

ここまでのチェックポイントを踏まえ、猫の健康維持のため必要な栄養が含まれており、信頼できるオーガニック認証を受けた銘柄のみをご紹介します。

ここでは、キャットフードにおける総合栄養食を中心に取り上げます。
総合栄養食とは、それだけで猫が必要とする栄養基準をクリアしているキャットフードです。総合栄養食はペットフード公正取引協議会が定める基準を満たしたフードのみ表記することができます。総合栄養食を証明するための基準は、AAFCO(全米飼料検査官協会)の給与試験プロトコルを採用しています。
(参考:ペットフード公正取引協議会「総合栄養食」より

Orijen オリジン キャットフード

Orijenキャットフードは、放し飼いの鶏、七面鳥、天然の魚などを原材料に作られた総合栄養食のドライキャットフードです。

メインの原材料は、すべて肉、内臓、骨など栄養価の高い部位が使われており、高品質な動物性タンパク質を豊富に含んでいます。

穀物(小麦、トウモロコシ、大豆)不使用で、猫の消化をサポートするプロバイオティクスも含まれています。

保存料もすべて天然の添加物です。

原産国 原材料
アメリカ 新鮮鶏肉(18%), 新鮮七面鳥肉(7%), 新鮮全卵(5%), 新鮮鶏レバー(5%), 新鮮丸ごとカレイ(4%), 新鮮丸ごとニシン(4%), 新鮮七面鳥レバー(4%), 新鮮鶏心臓(4%), 新鮮七面鳥心臓(4%), 新鮮鶏ネック(4%), ディハイドレート鶏肉(4%), ディハイドレート七面鳥肉(4%), ディハイドレート丸ごとサバ(4%), ディハイドレート丸ごとイワシ(4%), ディハイドレート丸ごとニシン(4%), 鶏脂肪(3%), 丸ごと赤レンズ豆, 丸ごとグリーンピース, 丸ごと緑レンズ豆, 丸ごとヒヨコ豆, 丸ごとイエローピース, レンズ豆繊維, 丸ごとピント豆, 丸ごと白インゲン豆, ディハイドレート鶏軟骨(1%), ニシン油(1%)…他
created by Rinker
ORIJEN
Safe Quality Food(SQF)、及びセーフフィード/セーフフード(SFSF)認証取得

CUPURERA クプレラ キャット

CUPURERAキャットフードは、ホルモン剤・抗生物質・成長促進剤を投与せずに育てた鹿の肉をメインの原材料に、さつまいもや必須脂肪酸を多く含む種子や魚、遺伝子組み換えでない穀物やハーブを取り入れたキャットフードです。

子猫から高齢猫まで対応しており、合成保存料、合成着色料、合成香料、化学薬品(防腐剤、酸化防止剤、防虫剤、防カビ剤)不使用です。

鹿肉は家畜化されていないので、脂質が少なく消化の良いタンパク源。

鉄分やミネラル分を豊富に含んだ良質な鹿肉に、免疫力を維持するための微生物である「プロバイオティクス」を添加した総合栄養食です。

また、CUPURERAのラインナップとしてアレルギーのある猫に対応したグレインフリー製品もあります。

原産国 原材料
オーストラリア ラム肉、ひきわりミレット(黍)、ひきわり玄米、魚類(ギンヒラス、シロギス、豪州真ダイ、トビウオ)、米ぬか、米ぬか油、カノラオイル、ひきわりフラックスシード、アマランサス、モンモリロナイト、アマランサス、ユッカ、ネトル、ブルーベリー、スリッペリーエルム、西洋タンポポ、チコリ、タウリン、活性酵素、プロバイオティクス..他

GATHER ギャザー フリーエーカー

GATHER フリーエーカーキャットフードは、十分な運動エリアを確保し、持続可能な生産体制で育てられた鶏をタンパク源とし、オーガニックエンドウ豆や亜麻仁、ブルーベリー、クランベリーなどの栄養価の高い材料をバランス良く配合した成猫用の総合栄養食です。

ペット先進国であるカナダの栄養学博士が開発した最新の栄養学に基づくレシピで、70%のオーガニック食材を使用し、副産物や産地が特定できないミートミール、中国産の原材料は一切使われていません。

トウモロコシや小麦、大豆、ポテトは使用しておらず、グレインフリー、ポテトフリーのレシピです。

また、遺伝子組み換え作物、人工添加物を一切不使用。環境に配慮し、持続可能な農業を実践する生産者から食材を調達しています。

原産国 原材料
カナダ チキン(オーガニック)、乾燥チキン(オーガニック)、エンドウ豆(オーガニック)、レンズ豆、鶏脂肪(ミックストコフェロールで酸化防止)、フラックスシード(オーガニック)、天然香料(チキン由来)、ブルーベリー、クランベリー、乾燥ローズマリー、卵殻粉..他
GATHER ギャザー フリーエーカー
GATHER

Natural Cat Food Company アランズナチュラル キャットフード

アランズナチュラルキャットフードは、安心・安全な自然素材だけを使用し、猫が必要とする栄養素をバランス良く配合したキャットフードです。

主原料には放し飼いでストレスなく育った高タンパクで低カロリーのチキンとターキーを使用し、穀物、香料、着色料などの不要な人工添加物は一切不使用。

さらにエンドウ豆、ヒヨコ豆、ビーツなどが使用され、ビタミンとミネラルがバランスよく配合されています。

また、アレルギーを引き起こしやすいトウモロコシや小麦も含まれていないため、穀物アレルギーを持った猫にも最適です。

原産国 原材料
イギリス チキン・ターキー70%(乾燥チキン35%、ターキー生肉30%、ターキー油脂3.5%、チキングレイビー1.5%)、ジャガイモ、野菜類、果実類、エンドウ豆、レンズ豆、ヒヨコ豆、ビーツ繊維、サーモンオイル
created by Rinker
アランズナチュラル キャットフード
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の基準をクリアした工場で生産 / DHAとEPAなどのオメガ3脂肪酸配合

GRANDS グランツ プレミアムキャットフード

GRANDSキャットフードは、ケージフリー(平飼いの鶏)のチキンと魚(サーモン)を主原料とし、アミノ酸、ビタミン、ミネラルを豊富に含む全年齢用のキャットフードです。

カリウムやビタミンB、ベータカロテンなど猫の健康にとって重要な栄養素を含むサツマイモやブロッコリーを使用するグレインフリー、さらに人工添加物(保存料、着色料、香料)は一切不使用

糖質24%以下なので肥満予防にも◎。

猫の尿路系の健康維持に役立つと言われるクランベリーやブルーベリーが配合され、さらに腸内環境を整えるプレバイオティクス成分も添加されています。

また、胃腸への負担を少なくフードローテーションができるように3種類の味が用意されています。

なぜフードローテーションがおすすめなのか:個体差はありますが、猫には「ネオフィリア」と呼ばれる心理的傾向があり、好みの変化や好奇心によってこれまでずっと食べていたフードを急に食べなくなり、新しい食感や形状の食事を求めることがあります。
一方で、現代は狩りではなく人間がつくったフードを食べるのが基本です。キャットフードはブランドごとに味や香りの振り幅が大きく、頻繁に様々なブランドのものをローテーションすると内臓への刺激が強く、猫ちゃんにとって負担になる可能性が高くなります。
つまりフードローテーションは必要ですが、刺激や負担は最小限にすることが、猫ちゃんのカラダを考えると重要なのです。
GRANDS(グランツ)はベースは同じでありながらタンパク源だけを変えているため、アレルギーなどがない限りは振り幅が小さい中で愛猫の好みに合わせてフードローテーションを行うことができます。

原産国 原材料
フランス 脱水チキン24.5% 、フレッシュチキン15.0% 、脱水サーモン14.0%、 チキンファット8.4% 、チキンプロテイン1.5% 、サーモンオイル0.8%、さつまいも、じゃがいも、エンドウ豆、ベジタブルファイバー、チコリ、マンナンオリゴ糖、ビール酵母、ユッカエキス、クランベリー、ブロッコリー、ブルーベリー、グルコサミン、コンドロイチン、ビタミン類..他
GRANDS プレミアムキャットフード
created by Rinker
GRANDS
AAFCO(米国飼料検査官協会)、FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)認証済

CANAGAN カナガンキャットフード

カナガンキャットフードは、放し飼いで育てた鶏を使用し、原材料の60%以上が品質の良い高タンパク質で作られたキャットフードです。

また抗酸化物質が豊富で消化性に優れたサツマイモ、免疫力を維持するマリーゴールド、ビタミンCの豊富なクランベリーなどが配合されており、猫の理想的な食事を実現しています。

穀物、着色料、香料は不使用です。

※ただし、匂いが強く、猫によっては食いつきが悪いケースもあるようなので注意が必要です。

原産国 原材料
イギリス 乾燥チキン 35.5%、チキン生肉 25%、サツマイモ、ジャガイモ、チキンオイル 4.2%、乾燥卵 4%、チキングレイビー 2.3%、サーモンオイル 1.2%、アルファルファ、クランベリー、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニス、コロハ、ビタミン類(A、D3、ビタミンE)、タウリン、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、セレン)
created by Rinker
CANAGAN
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)基準をクリアした工場で生産

YARRAH ヤラー オーガニックキャットフード グレインフリー

オーガニックの鶏肉、MSC認定(※)のニシン、タピオカ、エンドウ豆で作られた小麦不使用の12週以降の猫用キャットフードです。

化学香料、着色料、香料は無添加で、農薬や遺伝子組み換え作物不使用です。

YARRAHは1992年にオランダで設立されたオーガニックペットフードブランドで、ヨーロッパのオーガニックペットフード市場でシェアNo.1を誇ります。

原材料の全てがオーガニック100%、そしてオランダ、フランス、ドイツそれぞれの第三者機関の認証を受けています。

また「動物の健康を守る」という理念を持ち、環境や生物多様性への配慮が根付いています。

原産国 原材料
オランダ 乾燥鶏肉*、タピオカ*、グリーンピース*、イエローピース*、米たんぱく質、鶏脂*、 大豆*、ルーピン*、ひまわりの種穀*、乾燥MSCニシン、イースト、 ミネラル(塩、石灰、塩化コリン、小麦ミッドリング、タウリン、ビタミンE、硫酸鉄、 ビタミンB12、酸化亜鉛、ビタミンB3、酸化マンガン、ビオチン、ビタミンB2、 パントテン酸、セレン酸ナトリウム、硫酸銅、ビタミン(A、K3、B1、D3)、ヨウ化カルシウム、葉酸)(肉配合率17.5%)
*はオーガニック認証済

MSC漁業認証
・資源の持続可能性
過剰な漁獲を行わず、資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。
・漁業が生態系に与える影響
漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。
・漁業の管理システム
地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。

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YARRAH
EUオーガニック認証、EKO認証、AB認証、Beter Leven認証、MSC認証 、B Corp認証済

この記事を書いた人:Marei Suyama
株式会社good umbrella代表。東京と岡山の山間部を行き来して生活しています。 持続可能な社会を作るため、また人々の健康のための役に立つ情報・tipsをご紹介します。有機食品・フェアトレード製品・健康生活用品、オーガニックコラムなど。
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