スーパーで買える安全なオリーブオイル5選

スーパーで買える安全なおすすめオリーブオイル5選

調味料
公開日時:2024/08/10
更新日時:2025/02/06

パスタやピザ、肉や魚のグリルやアヒージョ、さらにサラダやパンにそのままかけても美味しいオリーブオイル

美味しいだけではなく、オレイン酸などの健康効果に優れた一価不飽和脂肪酸や、抗酸化作用を持つポリフェノールを多分に含んでおり、心疾患や肥満などの生活習慣病、糖尿病などの予防に効果があることが分かっています。

スーパーで売られている市販のオリーブオイルは多くが輸入であり生産国も値段もさまざまですが、実は品質や安全性に問題のある危険なオリーブオイルも多く存在します。

今回は、オリーブオイルの歴史、優れた健康効果を解説しながら、危険なオリーブオイルの特徴と品質の高い安全なオリーブオイルの選び方をご紹介します。

安全なオーガニックエキストラバージンオリーブオイル
製品名 Terrazzino 有機エキストラバージンオリーブオイル biologicoils 有機エキストラヴァージンオリーブオイル Biolea エキストラバージンオリーブオイル ALCE NERO 有機エキストラ・ヴァージンオリーブオイル Erbology オーガニックエキストラバージンオリーブオイル
Terrazzino 有機エキストラバージンオリーブオイル biologicoils 有機エキストラヴァージンオリーブオイル Biolea エキストラバージンオリーブオイル ALCE NERO 有機エキストラ・ヴァージンオリーブオイル Erbology オーガニックエキストラバージンオリーブオイル
メーカー Terrazzino biologicoils BIOLEA ALCE NERO Erbology
オーガニック認証 有機JAS認証、EUオーガニック認証、IGP Sicilia、ISO9001認証取得 有機JAS認証、EUオーガニック認証、国際規格HACCP認証取得工場 EUオーガニック認証、USDAオーガニック認証取得 有機JAS認証、EUオーガニック認証 EUオーガニック認証、Soil Association Organic認証取得
原材料 ノチェッラーラ、ビアンコリッラ レッチーノ、コラティーナ、フラントイオ、カロレア、ノチェッラーラ コロネイキ ビアンコリッラ、カロレア コラティーナ
原産地 イタリア シチリア島 イタリア モデナ ギリシャ クレタ島 イタリア (プーリア、シチリア、カラブリア) イタリア プーリア
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オリーブオイルの歴史

オリーブオイルの起源は地中海地域?

オリーブの正確な原産地は分かっていませんが、シリア、もしくはサハラ以南のアフリカだと言われています。

食用オリーブは、青銅器時代(紀元前3000年)まで遡り、東地中海地域(現在のトルコ、シリア、レバノン、パレスチナ、イスラエルなど)で栽培が始まりました。

紀元前2000年頃のシリアの記録によれば、当時オリーブオイルは希少性が高く、ワインや種子油と比較しても非常に高価なものでした。

オリーブの栽培や繁殖は難しく、オリーブの木が数百年という寿命を持ち、結実するまでに長い時間がかかること、(異なる品種同士を掛け合わせないと上手く実を結ばない)、品種が受け継がれないことなどが希少性を高めたようです。

当時の農学者たちは、品質の高い親木を選び、接ぎ木することで、乾燥地でも育ち、収穫量が安定する品種を広めていったと考えられています。

オリーブオイル生産の発展

オリーブオイル生産の発展

photo by Unsplash: Alena Illa

そのようにしてオリーブの栽培は、トルコ西部、ギリシャ、エジプトへと広がりました。

紀元前1700年のギリシャのクレタ島にはオリーブオイルの取引記録が残されており、紀元前600年のトルコにはオリーブオイルの加工施設があったことがわかっています。

さらにオリーブの栽培は西方へと広がり、イタリア、スペイン、北アフリカなどにも伝わっていきます。

紀元前1000年頃には、フィニキア人(現在のレバノン周辺を拠点に地中海で海上貿易を行っていた民族集団)がスペインと北アフリカに、ギリシャ人がイタリアにオリーブを持ち込んだとされています。

ローマ帝国の繁栄に伴い、オリーブの栽培とオリーブオイルの加工が地中海沿岸全域で広まり、イベリア半島とアフリカ北岸が大生産地となりました。

この頃オリーブオイルが食用として使われていた記録は少なく、当時オリーブオイルは主にランプの燃料として使用され、宗教の儀式や、神へのお供物、また薬用(軟膏)、皮膚や頭髪のケアに利用されました。

中世から現在へ

中世のスペイン、イタリア、ギリシャでは、オリーブオイルの生産量は増え続け、需要も高まりました。

1700年をピークにオリーブの大規模な栽培が行われましたが、19世紀から20世紀にかけて種子油の生産技術の向上と、ランプに代わるガスや電気などの照明が登場し、オリーブオイルの需要が減少してゆきます。

60年前には、オリーブオイルの生産は過剰供給とされていたのです。

2024年現在は、世界で350万トンのオリーブオイルが生産されており、スペインが世界最大のオリーブ生産国で、世界の生産のおよそ35%を占めています。

次いで、世界の生産量の20%のイタリア、14%のギリシャと続いて、この三カ国で世界のオリーブ生産量の69%を占めています。

オリーブオイルの生産量は世界でも増加傾向にあり、特にオーストラリアや南アフリカでは生産量の増加が顕著です。

出典:Olive Oil: History, Production, and Characteristics of the World’s Classic Oils
参考:International Olive Council, IOC

オリーブのさまざまな品種

先述したように、オリーブの木は非常に長寿であり、特定の気候や土壌に適応する能力が高く、さらに種子による繁殖ではなく挿し木による栽培が一般的であることで、その土地に適した品種が発展してゆきました。

その結果、現在世界で流通しているオリーブの品種は約1500から2000もの種類があるとされています。

ただし、オリーブオイルの原材料として使用されている品種は、ピクアル(Picual)、コロネイキ(Koroneiki)、アルベキーナ(Arbequina)、フラントイオ(Frantoio)など、約20種類です。

流通している主なオリーブ品種
品種名 生産地 品質と特徴
ピクアル(Picual) スペイン、アンダルシア地方 安定したオリーブオイルを生産し、酸化に対する耐性が高いため保存性が良い。しっかりとした苦味と辛味が特徴で、抗酸化物質を多く含む。
コロネイキ(Koroneiki) ギリシャ フルーティーでバランスの取れた苦味と辛味が特徴。収量が高く、酸化に対しても強い。非常に小さなオリーブから高品質なオイルを生産する。
アルベキーナ(Arbequina) スペイン、カタルーニャ地方 フルーティーで甘みのある風味が特徴。酸度が低く、まろやかなオイルが得られる。早期に実を結び、収量が安定している。
フラントイオ(Frantoio) イタリア、トスカーナ地方 豊かなフルーティーな香りとスパイシーな風味が特徴。収量が高く、品質の安定したオイルを生産できる。
ホジブランカ(Hojiblanca) スペイン、アンダルシア地方 甘みと苦味のバランスが良い風味が特徴。黄金色のオイルで、揚げ物に適した安定性の高いオイルを生産する。

オリーブオイルの健康効果

オリーブオイルの健康効果

photo by Unsplash: Abbey Houston

疫学研究によると、地中海地域の人々は他の地域と比較して癌の発生率が低く、その理由の一つに地中海食、特にオリーブオイルの摂取が重要な要素だと考えられています。

オリーブオイルには、心疾患やいくつかのがん、2型糖尿病など、健康効果において多くの予防・保護効果があることが示されています

ここでは、オリーブオイルに含まれる主な有効成分を見ていきましょう。

一価不飽和脂肪酸(MUFA)

オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸(MUFA)には、主にオレイン酸が多く含まれ、悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加させる効果を持ち、動脈硬化や心筋梗塞をはじめとした心血管疾患のリスクを低減させることが分かっています。

また、2型糖尿病患者において、血糖値の上昇を抑え、インスリン抵抗性を抑制する他、慢性炎症を抑制するため、関節炎や心血管疾患の予防にも役立つことが期待が寄せられています。

ポリフェノール

天然植物由来のポリフェノールの効果はさまざまな研究によって評価されてきました。

ポリフェノールは果物や野菜、ナッツやお茶、コーヒーやワインなど、植物由来の製品の多くに豊富に含まれており、細胞DNAへの酸化ダメージを減少させ、心血管疾患、神経変性疾患、さらにいくつかの種類の癌の罹患率を低下させ、進行を遅らせることが報告されています。

例えばポリフェノールの一種のヒドロキシチロソールはオリーブ/オリーブオイルに豊富に含まれており、強力な抗酸化作用を持っています。

ヒドロキシチロソールは、活性酸素を除去し、内因性抗酸化酵素システム(酸化ストレスからの防御システ)の活性を高め、酸化ストレスから細胞を保護するそうです。加えて、抗炎症作用とホルモン調節作用、特定のタイプの乳がんへの保護効果など、老化や病気の進行を遅らせる効能が期待されています。

オリーブオイルに含まれるオレウロペインというフェノール化合物も、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぐ作用/インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を保護する作用など、動脈硬化や糖尿病の予防に役立ちます。

スクアレン(不けん化物)

スクアレンはオリーブオイルに含まれる不けん化物質のひとつで、多くの有用な健康効果が明らかにされています。

オリーブオイルにおける不けん化物のおよそ60%を占め、抗酸化作用をはじめ、保湿作用や柔軟性の維持、紫外線からの保護など皮膚の修復機能を支える役割があります。

いくつかの研究によると、スクアレンの抗酸化作用は、皮膚がんや乳がんの予防に効果的である可能性が示唆されています。

トコフェロール(ビタミンE)

オリーブオイルに含まれるトコフェロール(ビタミンE)、特にα-トコフェロールを豊富に含み、強力な抗酸化作用を持っています。

トコフェロールのこの作用により体内のフリーラジカルを中和し細胞の損傷を防ぎます。

結果として心血管疾患のリスクを低減し、アンチエイジング効果、さらには免疫機能の改善や、皮膚のケアにも寄与することが明らかになりました。

参考:
Potential Health Benefits of Olive Oil and Plant Polyphenols
Olive oil consumption and human health: A narrative review
Minor Components of Olive Oil: Evidence to Date of Health Benefits in Humans
Olive Oil Times
What Is Monounsaturated Fat and Does It Have Benefits?
https://bpspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1476-5381.2012.02002.x

オリーブオイルの汚染と危険性

オリーブオイルの汚染と危険性

photo by Unsplash: Sugar Bee

このように、オリーブオイルは健康に対する多くの恩恵をもたらす食用油であることが分かったと思います。

しかし、スーパーで市販されている輸入オリーブオイルについては、しばしば品質についての問題や危険性が指摘されています。

オリーブオイルの主な品質問題
酸化・劣化/不適切な保管
安い精製オイルの混入
農薬残留

オリーブオイルの酸化・劣化

カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)とオーストラリアのオイル研究所の共同研究によると、市販のオリーブオイルのうち69%の商品が国際オリーブ協議会(IOC)の食品品質評価基準を満たしていないことが分かりました。

・69%の輸入オリーブオイルサンプルが、IOC/USDAの官能評価基準を満たしていませんでした。これらのサンプルは、「酸敗」、「カビ臭い」、「発酵臭」などの官能的欠陥を有し、品質が劣ることが確認されました。
・31%の輸入サンプルは、酸化に関連する化学的基準(UV吸収試験)にも違反していました。
・83%の輸入サンプルが、ドイツおよびオーストラリアの基準である1,2-ジアシルグリセロール(DAGs)検査で基準を満たしていませんでした。
・52%の輸入サンプルは、ピロフェオフィチン(PPP)基準にも違反していました。

精製オイルの混入/偽装表示

近年、ヨーロッパを中心にオリーブオイルの品質の偽装が増加しており、「エクストラバージンオリーブオイル」として販売されている製品に安価な精製オイルや、別の植物油が混入している事例が報告されています。

特にスペインやイタリアなどのオリーブオイルのシェアが大きい生産国において、品質の基準を満たしていないオリーブオイルが出回っているようです。

欧州委員会が公表したデータによると、表示偽装、食品安全事故、表記詐欺を含むオリーブオイルにおける詐欺件数は、2024年の三ヶ月で既に50件に達し、6年前の3倍に増加しているそうです。

2024年7月にはイタリアのプーリア州で大量の偽装オリーブオイルが当局に押収され、既に42トンが販売用に流通準備ができているそうです。

同月ポルトガルでは、オリーブオイルとして販売される食用油5万7000ユーロ分(およそ920万円分)、オリーブオイルとして記載された17万超の偽装ラベルを押収しました。

しかし、精製オイルや添加物の混入されたオリーブオイルは微妙な差異であるため、外見や風味から検出、あるいは判断するのが難しいとされ、精製オイルの混入は見過ごされがちだそうです。

混入オイルには、低品質のオイルや植物油の他、ランプ用オイルなども混入されており、健康に重大な影響が不安視されています。

参考:
Detection of the adulteration of extra virgin olive oil by near-infrared spectroscopy and chemometric techniques
Inside Europe’s fight against fake olive oil (偽オリーブオイルとの戦い)

オリーブオイルの農薬残留

欧州食品安全機関(EFSA)が行った調査(2020年)によると、オリーブオイルに含まれる農薬残留物の量は、ほとんどのサンプルで最大残留基準(MRL)を下回っていることが確認されています。

しかし、一部のサンプルでは、特にスペインやギリシャなどの国から輸入されたオリーブオイルで、基準を超える農薬残留物が検出されています。(検出数19のうち、8つがスペイン産、5つがギリシャ産)

このような残留物は、特に有機リン系農薬が多く、健康に潜在的なリスクをもたらす可能性があります​。

有機リン系農薬の影響
有機リン系農薬は、オリーブの栽培において広く使用されており、特にオリーブハエの駆除に使用されることが多いです。これらの農薬は脂溶性であるため、オリーブオイルに長期間残留する可能性があります。最新の研究では、これらの農薬残留物が食品の品質を損なうだけでなく、消費者の健康にも悪影響を与える可能性があることが指摘されています​。

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買ってはいけないオリーブオイルの特徴

買ってはいけないオリーブオイル

photo by Unsplash: Joyce Romero

前項では、スーパーで売られている市販オリーブオイルのなかにも、品質に問題を持つ商品があることが分かりました。

日本には低品質のオリーブオイルを規制するための法整備がなされていないため、商品の質については信頼性の高いメーカーを選ぶしかありません。

以下は、危険なオリーブオイルを見抜くためのポイントです。

価格が異常に安い

品質が担保されたエクストラバージンオリーブオイルは、収穫から製造まで手間がかかるため、それなりの価格が設定されています。

異常に安いオリーブオイルは、低品質なオイルや他の植物油で希釈されている場合があります。

エクストラバージンオリーブオイルの平均的な価格を大幅に下回る値段の商品は避けるのが無難でしょう。

1,000円/250ml以下のオリーブオイルは品質が担保されていない可能性があります。(2024年の価格帯)

透明なボトルに入っている

オリーブオイルはポリフェノールやトコフェロールなどの抗酸化物質を多く含んでおり、光にさらされると酸化が進み、風味や栄養価が急速に低下します。

本来、オリーブオイルは緑や黒色の暗いガラス瓶などできるだけ遮光性の高い容器に保存するのが良いとされ、透明なガラス瓶に入ったオリーブオイルは避けるべきでしょう。

参考:Influence of the exposure to light on extra virgin olive oil quality during storage(エキストラバージンオリーブオイル保存期間における、光の暴露が品質に与える影響)

光の下で保存したオイルは、暗所に保存した同じオイルよりもトコフェロール、カロテノイド、クロロフィルの含有量が著しく低いことがわかりました。

製造日が不明確

オリーブオイルの品質にとって、鮮度は重要です。製造から年月が経過すると酸化が進むため、風味の劣化とともにオリーブオイルの重要な栄養素も失われてしまいます。

製造年月を明記しているオリーブオイルのメーカーが安心です。

不自然な香りや味がする

本物のエクストラバージンオリーブオイルはオリーブのフルーティーな特有の香りと、フレッシュな辛味が特徴です。

味や香りに違和感のあるオリーブオイルは酸化が進んでいたり、別の植物油が混ざっている可能性があります。

安全なオリーブオイルの選び方(認証マーク)

前項では避けるべきリスクの高いオリーブオイルの特徴を挙げてきました。

ここからは品質が担保された安全なオリーブオイルの見分け方をご紹介します。

品質が保証されているオリーブオイルを選ぶ場合、まずは信頼性の高い認証ラベル、または表記を確認しましょう。

以下では、オリーブオイルの安全性を担保する認証ラベルを挙げ、意味や特徴を解説します。

EUオーガニック認証

EUオーガニック認証

EUオーガニック認証とは、欧州委員会(Europian Commission)が定めるオーガニック証明制度の一つです。

EUオーガニック認証のラベルが貼られた商品は、オーガニック規定のルール(オーガニック成分を95%以上含んでいる)に則って生産・加工されていることが証明されます。

EU加盟国では「オーガニック」と表示するために必要な認証マークで、日本のスーパーに置いてあるオーガニック輸入食品にも貼られています。

またラベルと合わせて、管理機関のコード番号、及び農業原料の生産地表示が義務付けられています。

農業原料の生産地表記 意味
EU Agriculture EU内で生産された農業原料のみ使用/td>
non-EU Agriculture EU以外の第三国で生産された農業原料を使用
EU/non-EU Agriculture 一部EU内で生産され農業原料を使用し、その他が第三国で生産されたものである

EUオーガニック認証を取得するための基準

EUオーガニック認証は、欧州委員会が以下のように基準を定めています。

対象となる商品は、環境保護の促進、生物多様性の維持、有機製品の信頼を担保するために、農作物だけではなく、畜産物や飼料、ワイン、オリーブオイルを対象に、生産から保管方法、加工・流通・販売までを含むすべてのプロセスにおいて厳しい規則が課せられています。

農作物
遺伝子組み換え生物(GMO)の使用禁止
人工肥料、除草剤、殺虫剤の使用制限
電離放射線の使用禁止
ホルモンの使用禁止と、抗生物質の使用を動物の健康維持のために必要な場合に限定

畜産
有機飼料のみ与えて育てる
飼料は主に動物が飼育されている農場、または同じ地域の農場から調達する
動物のクローン化、及び胚移植の禁止
自然の、できれば母親のミルクで育てる
自然な繁殖方法を行う(人工授精は許可)
畜産に携わる人は動物の健康や福祉に関する基本知識と技能を有すること
十分な広さの収容施設で飼育すること。また、家畜を繋ぐことは原則禁止され、可能な限り、屋外または放牧エリアにアクセスできるようにすること

参考:European Commission: Organic production rules

USDAオーガニック認証

USDAオーガニック認証

USDAオーガニック認証とは、アメリカ農務省(United States Department of Agriculture)によって2002年に制定されたオーガニック認証制度です。

USDAオーガニック認証は下記の四つのカテゴリーに分けられており、原料においてのオーガニック基準が設けられています。

USDAのカテゴリー 内容
100% Organic 生産・加工などすべてのプロセスを含め、原料(天然塩・水を除く)が100%オーガニックであること。認証マークの貼付ができる。
Organic 原料(塩・水を除く)が95%以上がオーガニックであること。認証マークの貼付ができる。
Made with Organic 原料(塩・水を除く)が70%以上がオーガニックであること。認証マークの貼付は認められていませんが、「made with organic」と記載することができる。
Specific Organic Ingredient オーガニック原料が70%未満の製品です。認証マークやオーガニックの表示はできません。原材料表記に、「水、大麦、豆、有機トマト、塩」として、オーガニック表記をすることはできます。

このように、USDAオーガニック認証が貼付された製品は、アメリカ農務省が厳格に定めたオーガニックの基準をクリアしたものであることが分かります。

USDAオーガニック認証を取得するための基準

USDAでは、オーガニックの定義を以下として定めています。

「資源を循環させ、生物多様性を保護し、生態系のバランスを保つことが求められます。また、対象は農産物、畜産物、加工商品にそれぞれ厳格な規則が定められています。

農作物と穀物
天然肥料を使用
環境に優しい害虫防除をすること
土壌と水の保護

肉、乳製品、卵
自然に外で放牧すること
動物福祉を厳守
成長ホルモンや抗生物質は使用しない

包装済みの商品
遺伝子組み換え作物を使用しない
農場から店舗まで追跡可能
人工着色料、香料、保存料は使用しない

有機JAS認証

有機JAS認証ロゴ

有機JAS認証はJAS法(※)に基づき、農林水産省に認可された第三者機関によって検査され制定される認証です。

日本国内においては、有機JASマークが貼付されたもの以外「有機」「オーガニック」という表記は禁止されています。

対象は農産物、畜産物、加工食品の他、飼料や藻類、輸出・輸入品も含まれます。

※JAS(Japanese Agricultural Standards 日本農林規格)とは、農林物資(飲食料品・農産物・林産物・畜産物・水産物)についての品質の基準と品質に関する表示の基準を内容とする全国統一の規格(Standard)です。 これを定めているのが、「日本農林規格等に関する法律」であり、通称「JAS法」と呼ばれています。

有機JAS認証を取得するための基準

有機JASは、農業の自然循環機能の維持増進を目的とし、それぞれの製品に対して以下の条件を課しています。

農産物
収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理において以下の基準を厳守
堆肥等による土作りを行う
播種・植付け前2年以上、または栽培中に(多年生作物の場合は収穫前3年以上)、原
則として化学的肥料及び農薬は使用しない

遺伝子組換え種苗は使用しないこと
周辺から使用禁止資材が飛来し、または流入しないように必要な措置を講じていること
有害動植物の防除又は品質の保持改善のために、放射線照射を行ってはならない など

畜産物
有機畜産用飼料のみ与えること
野外への放牧などストレスを与えずに飼育すること
抗生物質等を病気の予防目的で使用しないこと
遺伝子組換え技術を使用しないこと
受精卵移植、ホルモンを用いた繁殖、組換えDNA技術を用いた繁殖の禁止 など

加工食品
化学的に合成された添加物や薬剤の使用は極力避けること
原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物、有機畜産物、有機藻類又は有機加工食品であること
薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造を行うこと
遺伝子組換え技術を使用しないこと

飼料
原則として、有機農産物、有機加工食品、有機乳、有機飼料、食塩、水以外のものが使用されてはならない
放射線照射を行ってはならない
農薬、洗浄剤、消毒剤その他の資材によって汚染されないように管理を行わなければならない など

藻類
養殖場では、禁止されている資材を使わない
ロープなどの漁具は、できるだけ再利用可能なものを使用する
付着生物の除去は、物理的手段または手作業で行う
海面や内水面の養殖では、窒素やリンなどの栄養素を含む資材を使わない
水環境を保全するため、藻類の採取は最小サイズや方法など、あらかじめ定めた基準に従う

参考:「有機食品の検査認証制度」農林水産省

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安心のオーガニックオリーブオイル5選

オリーブオイルを選ぶ際の、注意点や、安全を担保するための認証を解説してきました。

ここまでの条件を踏まえた安全で信頼性の高い輸入オリーブオイルをご紹介します。

Terrazzino 有機エキストラバージンオリーブオイル

Terrazzinoは、イタリア、シチリア島のラッファダリという小さな村にある家族経営のオリーブオイル農園です。

小規模農園で生産されたオリーブオイルは、土壌や気候に適した品種を栽培することで、その地域特有の特徴を持つオイルを作ることができます。

Terrazzino家の有機農園は、シチリアの「ご当地生産品」としてIGP Sicilia認証を受けています。

IGP SICILIAとは…
IGPは「Indicazione Geografica Protetta」(イタリア語で「地理的表示保護」)の略で、特定の地域で生産された農産物や食品が、その地域特有の特性を持つことを保証する欧州連合(EU)の認証制度の一つです。IGP Siciliaは、シチリア島で生産されたオリーブオイルなどの農産物が、シチリア島特有の気候、土壌、伝統的な生産方法によって作られたことを保証するものです。この認証を受けた製品は、その品質や特性が地域に密接に結びついていることが確認されており、消費者にとっては品質の保証ともなります。

この農園で作られたオリーブオイルは、シチリア島特有の品種で主張の強い「Nocellara」に、柔らかく調和のとれた「Biancolilla」品種をブレンドすることにより、和食にも合うオリーブオイルの風味を実現させています。

取得認証 有機JAS認証、EUオーガニック認証、IGP Sicilia、ISO9001認証取得

biologicoils 有機エキストラヴァージンオリーブオイル

Biotuscanyブランドは、1979年にモデナを拠点にしたCasa Rinaldi社のオーガニック製品ラベルです。

栄養特性が非常に優れたオーガニック素材のみを使って生産しているBiotuscanyのエクストラバージンオリーブオイルは、溶剤などを使用した科学的処理は一切せず、冷圧搾法によって抽出されており、オリーブの風味や栄養素が最大限に保たれています。

また、国際規格HACCP認証を持つフィレンツェの工場で厳重に品質管理されており、開封するまで酸化や品質の心配がありません。

取得認証 有機JAS認証、EUオーガニック認証、国際規格HACCP認証取得工場

Biolea エキストラバージンオリーブオイル

Bioleaは、ギリシャのクレタ島北西部の村「アストリカス」にて、家族経営の農園で栽培されたオリーブを使用し、さらに現地で栽培から製造までの全工程を行うメーカーです。

地中海の島特有の気候、標高300メートルの乾燥した土地で育まれたオリーブによって、独特のオイルが作られます。

クレタ島固有の有機オリーブ「コロネイキ種」のみを使用し、石臼圧搾・低温抽出にて作られ、フィルターによる「ろ過」もしていないので、オリーブ本来の風味が損なわれず、香り豊かなオリーブオイルとなっています。

アストリカスのオリーブ農園は、化学肥料、殺虫剤、除草剤を使用せずに有機農法で管理され、過去20年間にわたり有機認証を受けています。

取得認証 EUオーガニック認証(GR-BIO-03)、USDAオーガニック認証取得

ALCE NERO 有機エキストラ・ヴァージンオリーブオイル

Alce neroのオリーブオイルは、南イタリア産(プーリア、シチリア、カラブリアの3州で有機栽培された)のオリーブのみを使い、収穫後24時間以内にコールドプレス(低温圧搾)製法によって作られたオリーブオイルです。

Alce neroの製品は、化学農薬、化学肥料を使わずに有機栽培され、生産者産、その土地の気候や土壌、生物多様性を尊重し、その土地に根付いた農法で作られています。

二種類のオリーブ(ビアンコリッラ、カロレア)から生まれたオリーブオイルは、冷間圧搾によって新鮮なまま暗色のガラスボトルに保管されます。(ボトルは有害な紫外線を遮断し、エクストラバージンオイルの劣化を防ぐ役割を持ちます)。

取得認証 EUオーガニック認証、有機JAS認証取得

Erbology オーガニックエキストラバージンオリーブオイル

Erbologyのオリーブオイルは、イタリア・プーリアの単一農園から収穫された有機コラティーナ種のオリーブを使用して作られています。

200年以上の歴史を持つ古木から手摘みされたオリーブは、収穫後8時間以内に冷間圧搾され、温度管理された容器で新鮮さを保っています。

また、環境に配慮したリサイクル可能なアンバーガラスボトルに詰めて輸入されます。

取得認証 EUオーガニック認証、Soil Association Organic認証取得
Soil Association Organic認証は、イギリスのSoil Associationが運営するオーガニック認証制度です。化学合成農薬や遺伝子組み換え作物の使用を禁止し、厳しい環境基準と動物福祉基準を設けています。認証製品は原材料から最終製品までの全プロセスが追跡可能で、持続可能な農業と公正な取引を推進しています。
認証を受けるには、厳格な審査と継続的なモニタリングが必要で、認証された製品は高い品質と環境への配慮が担保されます。

オーガニックパスタ『alcenero アルチェネロ』イタリア有機食材の代表格

この記事を書いた人:Marei Suyama
株式会社good umbrella代表。東京と岡山の山間部を行き来して生活しています。 持続可能な社会を作るため、また人々の健康のための役に立つ情報・tipsをご紹介します。有機食品・フェアトレード製品・健康生活用品、オーガニックコラムなど。
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