健康に害のない安全なフライパンの選び方

健康に害のない安全なフライパンの選び方【素材別おすすめ10選】

生活用品
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安全なフライパンとは、有害物質の溶出リスクが低く、通常の調理温度で安心して使える素材のフライパンのことです。フッ素樹脂(テフロン)加工は260℃以下なら安全とされていますが、PFAS規制の強化を受け、ステンレス・鉄・ホーロー・チタンなど無コーティングの素材が注目されています。

フッ素樹脂(PTFE)は260℃以下なら安全、ただし空焚きは厳禁
PTFE と PFOA/PFOS は別物 — 現在のフライパンにPFOAはほぼ不使用
ステンレス・鉄・ホーローは化学物質の溶出リスクが最も低い
素材ごとに得意な料理が異なる — 用途に合わせた選び方が重要
2025年最新のPFAS規制動向も解説

「テフロン加工のフライパンは身体に有害」という話をよく聞きます。

フライパンのフッ素樹脂が高温で剥がれて身体に吸収されると、健康被害が起こるのではないかと不安に思っている方も多いのではないでしょうか?

フッ素樹脂は本当に身体に有害なのでしょうか?

もしそうであれば調理にはどのような素材のフライパンや鍋を使えば安全なのでしょう。

今回は、フッ素樹脂のリスクや、その他の素材の危険性を解説し、安心の素材で作られたフライパン・鍋をご紹介します。

        

安全素材のフライパン
製品名 ヴァイタリティ 26cm カターニャ 24cm グルメプラス 24cm ヘスタンナノボンド 22cm 打出し鉄フライパン 26cm ミネラルビーエレメントフライパン 20cm フライパンジュウ 24cm 極JAPANフライパン 26cm バーミキュラ 鋳物ホーローフライパン 26cm 鋳物ホーロー鍋 スキレット 20cm
Zwilling ツヴィリング バイタリティフライパン Fissler(フィスラー) / ステンレスフライパン「カターニャ」 WMF(ヴェーエムエフ) グルメプラス Meyer(マイヤー)へスタン ナノボンド 山田工業所 打出し鉄フライパン「九十九 」 de BUYER(デバイヤー) ミネラルビーエレメント 藤田金属 フライパンジュウ リバーライト 極JAPAN ル・クルーゼ 鋳物 ホーロー鍋 スキレット Vermicular バーミキュラ 鋳物ホーローフライパン
メーカー ZWILLING(ツヴィリング) Fissler(フィスラー) WMF(ヴェーエムエフ) Meyer(マイヤー) 山田工業所 deBUYER(デバイヤー) 藤田金属 リバーライト 愛知ドビー Le Creuset(ル・クルーゼ)
素材・コーティング ステンレス鋼 ステンレス鋼 ステンレス鋼(クロマーガン・ステンレス) ステンレス/チタン加工 鉄/桜の木 鉄/蜜蝋 黒皮鋼板(鉄)/ウォルナット 鉄/窒化加工/木 鋳鉄ホーロー/オーク材 ホーロー
耐久性・安全性 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
対応熱源 IH/ガスコンロ/オーブン IH/ガスコンロ/オーブン IH/ガスコンロ/オーブン IH/ガスコンロ/オーブン ガスコンロ IH/ガスコンロ IH/ガスコンロ/オーブン IH/ガスコンロ IH/ガスコンロ IH/ガスコンロ/オーブン
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この記事でわかること

フッ素樹脂加工されたフライパンの安全性は?

フッ素樹脂(PTFE)加工のフライパンは、260℃以下の通常調理であれば安全に使用できます。食品安全委員会も「剥がれたコーティング片を飲み込んでも体内で吸収されず排出される」と報告しています。ただし空焚きで360℃以上になると有毒ガス(フッ化水素酸など)が発生するリスクがあります。なお、かつて製造助剤に使われていたPFOA(発がん性が指摘)は、2005年以降ほとんどのメーカーで使用が中止されており、現在市販されているフッ素樹脂フライパンにPFOAは含まれていません。PTFEとPFOAは別の化合物であることを理解することが重要です。

フッ素樹脂加工フライパン

フッ素樹脂とは?

フッ素樹脂は、フッ素原子(F)と炭素が結合してできた有機フッ素加工物(PFAS)の一つで、水や油を弾く撥水性・撥油性、さらに耐熱性に優れているため、フライパンやホットプレートなどのコーティングに広く使われています。

フッ素樹脂加工は、日本でテフロン加工という呼称で知られていますが、「テフロン」は世界的な化学メーカーであるケマーズ社が製造するフッ素樹脂の商品名です。

フッ素加工物(PFAS)の規制

フッ素加工物(PFAS)は、極めて分解されにくいという性質を持ち、環境に残留する可能性が高いことから、「永遠の化学物質」と呼ばれ、欧州各国で規制案が提出されました。

残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約では、PFASのうちPFOS/PFOAを規制の対象とし、EU域内での製造、販売、使用を全面的に禁止するとしています。(2026年~2028年に制限が発効される見込み)

米国のPFAS製造メーカーは2025年までに製造を中止するとし、日本でも発表を受け製造・輸入が原則禁止となりました。

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フッ素樹脂加工(テフロン加工)の危険性は?

フッ素樹脂加工フライパンの危険性
ただし、フライパンのコーティングに使われるPFASの一つ「PTFE」は、発がん性が懸念され、製造・使用が禁止されている「PFOS/PFOA」とは別物です。

PFASは1万種類以上の化合物があり、PFASすべてに有害性が認められているわけではなく、「PTFE」も明確な危険性は立証されていません。

また、多くの製造メーカーのサイトや、食品安全委員会の資料でも、フッ素樹脂が剥がれ体内に入ったとしても吸収されずに排出されると書かれています。

国際がん研究機関(IARC)は、ふっ素樹脂の1つであるPTFEに対して、グループ3(ヒトに対する発がん性について分類できない)と評価しています。また焦げ付き防止のためにふっ素樹脂でコーティングされた調理器具を使用する場合、剥がれ落ちたコーティング破片を飲み込んだとしても体に吸収されず体内を通過し、体内でいかなる毒性反応も引き起こさないため、体に影響ないと報告されています。

※以前まで発がん性が指摘されているPFOAがフライパン製造時の助剤として使われていましたが、しかし、2005年にアメリカ環境保護庁により危険性が指摘され、ほとんどの鍋やフライパンにはPFOAが使用されなくなりました。

フッ素樹脂加工のフライパンが危険と言われる理由

それでは、なぜフッ素樹脂加工フライパンの使用が危険だと言われるのでしょうか?

ここでは、3つの懸念点を解説します。

空焚きによって有害ガスが発生する

フライパンや鍋に使われるPTFEは、260度になると劣化し始め、360度になると有毒ガスが発生すると言われています。

また、空焚きによって分解されたPTFEは「フッ化水素酸」という化学物質を生成することがあります。

これらの有害物質は、呼吸困難やめまい、吐き気などの健康被害が報告されています。

コーティングが剥がれフッ素樹脂を摂取してしまう

フライパンなどのフッ素樹脂コーティングは、金属製のフライ返しなどによって傷がつき、剥がれてしまう場合があります。

剥がれた有害物質が食事の際に口に入り、体内に蓄積されることで有害な影響を指摘する意見も見られますが、剥がれたコーティング片を飲み込んだとしても、体内で吸収されずに排出されるので身体への毒性はないとされています。

ただし、剥がれたコーティングの一部には金属のさびなどが含まれている可能性があるため、劣化した調理器具の使用は控えた方が良いでしょう。また、フライ返しなどの調理器具も金属製ではなく木や樹脂でできたものを選ぶと良いかもしれません。

環境残留性

先述したように、PFASは環境中で自然に分解されにくい化合物です。

排水などによって河川や土壌などに半永久的に残留するため、農作物をはじめとした環境への負荷が懸念されており、欧州をはじめ、アメリカや日本でもPFAS規制への枠組みが構築されてきました。

【2025年最新】PFAS規制と安全なフライパンの現状

2024〜2025年にかけて、PFAS(有機フッ素化合物)に対する規制は世界的に大きく進展しました。EUは2025年に約1万種類のPFASを対象とする包括的制限案を採択する見通しで、米国EPAは飲料水中のPFOS・PFOAに初の法的基準値(4ppt)を設定しました。日本でも水道水の暫定目標値(PFOS・PFOA合算50ng/L)が運用されています。ただしフライパンに使われるPTFE(テフロン)は、規制対象のPFOS/PFOAとは異なる化合物であり、通常の調理温度で分解・溶出するリスクは極めて低いとされています。

2024年から2025年にかけて、PFAS規制は世界中で急速に進んでいます。ここでは最新の動向と、フライパン選びへの影響を整理します。

EU(欧州連合)のPFAS規制

EUは2023年2月にデンマーク・ドイツ・オランダ・ノルウェー・スウェーデンの5カ国が共同提案した約1万種類のPFASを対象とする包括的制限案を欧州化学物質庁(ECHA)に提出しました。

2025年〜2027年にかけて段階的に施行される見通しで、これが実現すれば世界で最も広範なPFAS規制となります。(※1)

ただし、調理器具に使用されるPTFEについては、代替物質がないことを理由に猶予期間が設けられる可能性が指摘されています。

米国EPAのPFAS規制

米国環境保護庁(EPA)は2024年4月、飲料水中のPFOS・PFOAに対して初の法的拘束力のある基準値(4ppt=1兆分の4)を設定しました。(※2)

これは従来の暫定勧告値(70ppt)を大幅に厳格化したもので、全米の公共水道システムに対して2029年までの遵守が求められています。

日本のPFAS対応

日本では2020年に水道水の暫定目標値としてPFOS・PFOA合算で50ng/Lが設定されています。

2024年には環境省が全国の水道水源におけるPFAS汚染の実態調査を拡大し、一部の自治体(東京都多摩地域、沖縄県など)で基準値超えが報告されました。

調理器具に関する直接的な規制はありませんが、PFOA・PFOSを使用した製品の製造・輸入は2021年から原則禁止されています。

「テフロン=危険」は正しい?誤解を解く

SNSやネット上では「テフロン加工のフライパンは危険」という情報が広がっていますが、ここには大きな誤解があります。

PTFE(テフロン)とPFOA/PFOSは全く別の化合物
現在のフライパンにPFOAは使われていない(2005年以降段階的に廃止)
PTFEは260℃以下で安定しており、通常の調理温度(160〜200℃)では分解しない
食品安全委員会は「剥がれたPTFEを飲み込んでも体内で吸収されず排出される」と報告
リスクがあるのは「空焚き(360℃以上)」と「製造工程でのPFOA使用(現在は廃止済み)」

つまり、正しく使えばフッ素樹脂フライパンは安全です。ただし、コーティングの劣化が気になる方や、環境負荷を考慮する方には、ステンレス・鉄・ホーローなどの無コーティング素材がおすすめです。

※1 PFAS restriction proposal – European Chemicals Agency (ECHA)
※2 PFAS National Primary Drinking Water Regulation – US EPA

その他、各フライパンの素材検証

フライパンの素材は大きくアルミニウム・ステンレス・鉄・銅・セラミック・チタン・ホーローの7種類に分けられます。化学物質の溶出リスクが最も低いのはステンレスと鉄で、いずれも無コーティングのため有害物質の心配がありません。アルミニウムは酸性食品で微量溶出の可能性があり、銅は酸性食品との反応に注意が必要です。セラミックコーティングはPFAS不使用で安全性が高いものの耐久性に課題があります。チタンは軽量で耐食性に優れますが熱伝導率が低く、ホーローは鋳物鉄にガラス質コーティングを施したもので化学的に安定しています。

フライパンの安全素材
それでは、フッ素樹脂コーティングされたフライパン以外の素材は安全なのでしょうか?

ここでは、フライパンで使われる素材の安全性を検証し、解説していきます。

アルミニウム製フライパン

アルミフライパンは、他のフライパン素材と比べて軽く、熱伝導率が高いのが特徴です。パスタソースや炒め物に適しており、イタリアンなどのお店の厨房でも銀色のアルミフライパンをよく見かけます。

熱が通りやすいので、短い時間で食材に火を通すことができ、また深いポット型なら素早く湯を沸かすこともできます。

反面、アルミニウムは高温や酸に弱く、変形や成分溶解の恐れがあります。そのため、長時間の加熱には向いていません。

アルミニウムは通常、腎臓から体外へと排出されるため、日常の普段使いとしてアルミニウムのフライパンを使用するのであれば健康のリスクはほとんどありませんが、腎臓機能に障害を持っている人や乳児などが一定以上のアルミニウムを摂ることで神経毒症状を起こしてしまう恐れがあります。

参考:アルミニウムと健康 – 日本アルミニウム協会

また、ほとんどのアルミフライパンはIHに対応していません。

アルミニウム製フライパン
メリット デメリット
・熱伝導率が高い
・軽い
・高温に弱い(中小火のみ)
・酸に弱い
・多くの製品がIH非対応
・空焚きは出来ない
・アルカリによって腐食するため石鹸が使えない・アルミニウムの体内への蓄積に健康的な懸念がある(乳児など)
向いている料理 向いていない料理
・パスタ ・高温調理
・マリネなど(酢の物)

ステンレス製フライパン

ステンレスフライパンはフッ素樹脂などのコーティングがされていないため、高温で空焚きしても有毒ガスが発生することはなく、劣化や錆がつきにくく有害な物質が溶け出す心配はありません。

ただし、ステンレスは熱伝導率が低く、加熱の際の表面温度にむらができやすく焦げつきやすいので、油を全体にひいてから調理する必要があります。

また、ステンレスフライパンは熱が伝わりにくいため、アルミニウムや鉄などの金属を使った多重構造の場合が多く、他のフライパン素材と比べて重量があります。

ステンレスに含まれる「クロム」から生成された「六価クロム」は、体内に入ることで悪影響を及ぼすと言われています。六価クロムはアスベストと同様に人体に吸引されることでクロム潰瘍や肺がん、皮膚炎などを引き起こすことが分かっています。
ただし、ステンレスの耐熱温度は700〜800度で、通常の調理で六価クロムが生成することがまずないので、ステンレスフライパンの使用が人体に悪影響を与えることはほとんどないと言えるでしょう。

ステンレス製フライパン
メリット デメリット
・錆びにくい
・保温性が高い
・IHで使える
・酸性に強い
・熱伝導率が低い
・重い
・焦げつきやすい
・空焚きができない
向いている料理 向いていない料理
・炒め物
・ステーキ
・揚げ物
・卵料理
・挽肉料理
・麺類(パスタなど)
・チャーハン

鉄製フライパン

鉄のフライパンは、耐熱性に優れているので高温調理に向いています。

しかし、銅やアルミニウムと比べて熱伝導率が低いため、加熱するのに時間がかかります。さらに焦げつきやすく、油を引いてから慣らす必要があります。

鉄は耐久性が高いため、焦げついた表面も鉄タワシなどで擦って取ることができますし、こまめな手入れとメンテナンスなどを行うことでより油が馴染んで食材がこびりつかなくなっていきます。

また、鉄フライパンは加熱によって鉄分が溶け出すことがありますが、鉄は無害である上に、必須栄養素である鉄分補給としてメリットがあります。

ただし、洗った後に水分が残ったままだと錆びつきやすいので、水洗いの後はすぐに乾燥させ油を引くなど、十分なお手入れが必要です。鉄フライパンが育てる調理器具と言われる所以です。

※鉄製フライパンの購入後は、錆止めのコーティングが塗られているため、使い始める前に「空焼き」と「油ならし」を行います。

鉄製フライパン
メリット デメリット
・高温調理ができる
・耐久性が高い
・鉄分補給ができる
・素材の成分が無害
・金属製の調理器具が使える
・鉄タワシで洗える
・洗剤が不要
・IHで使える
・熱伝導率が低い
・焦げつきやすい
・錆びやすい
・メンテナンスが必要
向いている料理 向いていない料理
・中華料理
・チャーハン
・炒め物
・ステーキ
・揚げ物
・煮込み料理
・蒸し料理

銅製フライパン

銅は熱伝導率が高く、焦げつきにくい特徴を持っています。食材にむらなく熱が入るので、卵焼きなどの繊細な温度調整が必要な料理に向いています。

また、銅は細菌やウィルスなどに対して殺菌、抗菌作用があり、レジオネラ菌やO-157の殺菌効果も認められており、衛生の観点からも有用です。

ただし、物理的な衝撃に弱く、簡単に変形してしまうのと、酸に弱いため、強酸性の食材に使用すると金属成分が溶けてしまう恐れがあります。

銅錆(緑青)について: 銅の錆は長年有毒とされてきましたが、1984年に厚生労働省は毒物取締法にて、「普通物」と判定し、バターやマーガリンに使用されている合成保存料(デヒドロ酢酸ナトリウム)と同程度の毒性と報告しました。

銅製フライパン
メリット デメリット
・熱伝導率が高い
加熱によるむらが出来にくい
・焦げつきにくい
・殺菌効果がある
・酸性に弱い
・変色しやすい
・変形しやすい
・重い
・IH非対応
向いている料理 向いていない料理
・卵料理
・ホットケーキ
・酸味のある料理
・中華料理

セラミックコーティングのフライパン

セラミックフライパンは、アルミ製などの金属フライパンにセラミックでコーティングしたフライパンです。

セラミックは歯科治療などにも使われる素材で、材料は金属と有機化合物系を除く、無機固体材料で構成されています。

陶磁器やガラスなどの天然の原料を使った純粋なセラミック、または精製した天然原料と合成された人工原料を組み合わせたファインセラミックなどに分別されます。

セラミックは非常に硬く、その耐久性はダイヤモンドに匹敵すると言われています。さらに摩耗しにくく、腐食に強いなどの特徴があり、セラミックでコーティングされたフライパンは耐熱性が高く、焦げつきにくいという特徴を持ちます。また、遠赤外線効果により食材の中まで熱が伝わり、均一に火を通すことができます

フッ素樹脂加工コーティングの耐熱温度が260度であるのに対し、セラミックフライパンの耐熱温度は400度で、過熱に対しても安全です。

ただし、耐熱とはいえ強火で調理を続けるとコーティングが劣化し、焦げ付きやすくなってしまう恐れがあります。また金属製のフライ返しやヘラを使用すると、コーティングが剥がれてしまう場合があります。

対策としては、油をしっかり引いてから加熱するようにし、1〜3年程度で買い替えを検討すると良いでしょう。

セラミックコーティングのフライパン
メリット デメリット
・耐熱性が高い(フッ素加工比較)
・熱伝導性が高い
・焦げつきにくい
・加熱によるむらができにくい
・酸性に強い
・軽い
・強火に向いていない
・空焚きができない(油が必要)
・劣化するとコーティングが剥がれる
・急激な温度変化に弱い
・金属製に調理器具が向いていない(コーティングの劣化に繋がる)
・IH非対応(対応製品も有)
向いている料理 向いていない料理
・魚料理
・鶏肉料理(熱伝導率が良いため)
・強火加熱が必要な料理
・中華料理
・揚げ物

チタンのフライパン

チタンは金属の中でも強度が高く、鉄のおよそ2倍、ステンレスの3倍と言われています。また、軽量であり、鉄のおよそ60%の軽さです。

また、鉄や銅と比べて錆に強く、さらに耐熱にも優れています。他の金属の融解温度が、アルミ660度、鉄1536度に対し、チタンは1666度と、プラチナに匹敵する耐熱性を持ちます。

そのようなチタンは、人体に対して非常に安全性の高い金属という特徴を持ち、金属アレルギーを起こさず有毒性もないため、調理器具の素材としても安心です。

ただし、熱伝導率が低いので、焼きむらが出来やすく、また火力が必要な料理には向いていません。(チタンの容器は、熱いものを注いでも容器自体が熱くならず、中身は冷めない特徴があります。※保温、保冷性が高く、タンブラーなどに使われます。)

*チタンコートフライパンはフッ素樹脂を混ぜて作られているので、高熱に弱く空焚きはできません。

チタンコーティングのフライパン
メリット デメリット
・耐熱性が高い
・耐久性が高い
・錆びにくい
・保温性が高い
・酸性に強い
・素材が無害
・軽い
・熱伝導率が低い
・焼きむらができやすい
・チタンコートは金属製に調理器具が向いていない(ただし純チタンフライパンはコーティング無し)
・IH非対応(対応製品も有)
向いている料理 向いていない料理
・肉料理
・魚料理
・煮込み料理
・強火加熱が必要な料理
・中華料理
・揚げ物

ホーロー製フライパン

ホーロー(琺瑯)とは、金属の表面をコーティングするためのガラス質素材です。一般的に、ホーロー鍋や、ホーロー製フライパンというと、鉄やアルミニウムで作られた鍋・フライパンに無機ガラスの釉薬(うわぐすり)を高温で焼き付けたものを指します。

ホーロー製品は熱伝導が良く、短時間で均一に熱が通るため料理が焦げにくく、汚れもつきにくいためお手入れが非常に簡単です。

また、ホーローは保温性に優れており、料理が冷めにくく、さらに食材に匂いがつかないので調理後そのまま冷蔵庫に入れても大丈夫。

多くのホーロー鍋・フライパンは元素材は鉄なので耐久性も高く、酸にも強いため、ホーローのコーティングにひびが入るなど物理的に壊れない限り寿命はなく、買い換える必要もありません。

ホーローの耐熱温度は一般的に300度なので、高温で調理も可能で、家庭用オーブンも問題なく使えます

ホーロー製のフライパン
メリット デメリット
・耐熱性が高い
・耐久性が高い
・錆びない
・保温性が高い
・素材が無害
酸に強い
・IHが使える
・保存容器として使える
・強い衝撃でひびが入る場合がある
・金属たわしは使えない(コーティングの劣化に繋がる。) 
・電子レンジが使えない
・急激な温度変化に弱い
・空焚きできない
向いている料理 向いていない料理
・肉、魚料理
・煮込み料理
・揚げ物
・炒め物

素材別フライパン安全性比較チャート

フライパンの7つの素材を「安全性」「耐熱温度」「化学物質溶出リスク」「耐久性」「手入れのしやすさ」の5軸で比較しました。安全性が最も高いのはステンレスと鉄で、化学物質の溶出リスクがほぼゼロです。フッ素樹脂(PTFE)は260℃以下なら安全ですがコーティング劣化後の買い替えが必要です。セラミックはPFAS不使用で安全性が高い一方、耐久性に課題があります。総合的に見ると、安全性と実用性のバランスが最も良いのはステンレスと鉄です。

各素材の安全性を一覧で比較します。フライパン選びの参考にしてください。

素材 安全性 耐熱温度 化学物質溶出リスク 耐久性 手入れのしやすさ おすすめの人
ステンレス ★★★★★ 500℃以上 ほぼゼロ 非常に高い 食洗機OK 安全性重視・長く使いたい方
★★★★★ 700℃以上 ほぼゼロ(鉄分微量溶出) 非常に高い 油ならし・錆防止が必要 高温調理が多い方・料理好き
ホーロー ★★★★☆ 300℃程度 非常に低い 高い(衝撃に注意) 比較的簡単 煮込み料理が多い方
チタン ★★★★☆ 500℃以上 非常に低い 非常に高い 簡単 軽さ重視・アウトドア
セラミック ★★★★☆ 400℃程度 低い(PFAS不使用) 中程度(コーティング劣化) 簡単 PFAS不使用にこだわる方
フッ素樹脂(PTFE) ★★★☆☆ 260℃(劣化開始) 260℃以下なら低い 低い(1〜3年で買い替え) 非常に簡単 手軽さ重視・中低温調理
アルミニウム ★★★☆☆ 300℃程度 酸性食品で微量溶出 中程度 石鹸使用不可 パスタなど短時間調理
★★☆☆☆ 400℃程度 酸性食品で溶出の可能性 高い 定期的な磨きが必要 プロ・上級者向け

安全性の高いフライパン10選

以下では、化学コーティング不使用で有害物質の溶出リスクが低い素材(ステンレス・鉄・チタン・ホーロー)のフライパンを厳選して10製品紹介します。いずれもPFOA/PFOS不使用で、フッ素樹脂コーティングに頼らない安全設計の製品です。ステンレスはツヴィリング・フィスラー・WMFなどドイツの老舗メーカー製を中心に、鉄は日本製の打出し・鍛造フライパンを、ホーローはバーミキュラとル・クルーゼの鋳物ホーロー製品を選定しています。

安全性の高いフライパン
ここまで、フライパンの素材ごとにメリットとデメリット、向いている料理/向いていない料理、素材や用途による健康リスク等をご紹介してきました。

それぞれのフライパンは、素材・コーティングによって耐熱性や熱伝導率などが異なり、用途や使い方に違いがあるものの、できる限り健康リスクが少なく、高温でも安心して使えるフライパンを選びたいものです。

ここでは、比較的耐熱温度が高く、酸性に強く、錆びにくい、そして身体に無害な素材で作られた安全でしっかり作られたフライパンをご紹介します。

安全なステンレス製のおすすめフライパン

多層構造性でアルミやフッ素樹脂などが使われているステンレス製フライパンが多いですが、ここでは、純ステンレスのフライパンのみご紹介します。

ZWILLING(ツヴィリング) / 「ヴァイタリティ」26cm

ドイツのメーカーZWILLING(ツヴィリング)のステンレスフライパンは、18/10ステンレス鋼(18%以上のクロムと10%以上のニッケルを添加したステンレス)を採用しており、耐久性が高く、錆びにくいフライパンです。(取手もステンレスで出来ています。)

ガスコンロはもとより、IH、オーブンでも使えます。

Fissler(フィスラー) / 「カターニャ」24cm

ドイツの高級調理器具メーカーFissler(フィスラー)のステンレスフライパンは、コーティング無しの高品質なステンレス素材で出来ています。

コーティング無しの底圧三層構造なので高温調理も可能です。取手部分も含めオールステンレス製です。

ガスコンロ、IH、オーブンで使えます。

WMF(ヴェーエムエフ) / 「グルメプラスフライパン」24cm

ドイツのキッチン用品メーカーWMF(ヴェーエムエフ)のステンレス製フライパンは、素材品質にこだわっており、PFOA/PFOA、鉛やカドミウムなどの有害物質不使用です。

高品質ステンレス鋼である「クロマーガン・ステンレス」採用し、錆びにくく耐久性、保温性も優れており一度加熱すると冷めにくいのが特徴です。

はり底にはアルミニウム合金が使用されています。

安全なチタン製のおすすめフライパン

ティファールなどのアルミニウムにチタンをコーティングしているものや、Tafucoなどのシリコン塗装しているもの、またアウトドア用のチタントレイや中華鍋タイプのフライパンを除いた、ステンレス本体にチタン加工したフライパンのみをご紹介します。

Meyer(マイヤー) / 「ヘスタンナノボンドフライパン」22cm

米国カリフォルニア州拠点の調理器具メーカーMeyer(マイヤー)は、ミシュランのレストランシェフも愛用している製品です。

ステンレス素材をチタン加工によりコーティングした超高密度チタン層の「ナノボンドコーティング」は、ステンレスの4倍の硬度と言われており、非常に優れた耐久性を持っています。

また、生産過程において化学薬品・化学物質を一切使用していないメーカーです。

安全な鉄製のおすすめフライパン

大手家具メーカーなどから販売しているシリカ塗装・シリコン塗装を施したフライパンを除く、鉄製のフライパンのみご紹介します。

山田工業所 / 「打出し 鉄フライパン」26cm

国内で唯一、鉄の板をハンマーで何度も打ちながら成型していく「打出し」という技法で作られた山田工業所のフライパンです。

何度も叩くことで、薄くても頑丈な鋼となり、さらに表面に細かい凹凸が生まれることで油なじみが優れ、焦げつきにくくなります。

鉄フライパンと言えば、「山田工業所」というほど、品質の良い工業品です。

deBUYER(デバイヤー) / 「ミネラルビーエレメントフライパン」

deBUYER(デバイヤー)は、フランスの老舗調理器具メーカーです。

フライパンの素材はフランス産の鉄が使われており、取手もポリエステル樹脂のコーティングがされた鉄製なので本体と同様に劣化しにくい仕様です。

オーガニックビーワックス(蜜蝋)で錆止めコーティングがされているため、空焼きは不要で、油ならしをするだけですぐに使うことができます。(蜜蝋塗装はお湯で流すだけで取り除くことができます。)

底が厚く、しっかりとした重みで、保温性に優れている工業品です。

藤田金属 / 「フライパンジュウ」24cm

藤田金属は、金型製造から製品加工、販売までをワンストップで行っている大阪の金属加工会社です。

藤田金属のフライパンジュウは、厚手の黒皮鋼板を採用しており、弱火でゆっくり焼くだけで食材が美味しく焼けます。

取手は山形県天童市で作られた無垢の木材で出来ており、スライドするだけで着脱可能。取り外した後は本体がお皿になってそのまま食器としても使えます。

フライパン表面を700度の高温で焼き付けて皮膜を作り油を馴染ませており、焦げつきにくく錆びにくい状態になっています。(ハードテンパー加工)

リバーライト / 「極JAPANフライパン」

リバーライト極JAPANの鉄フライパンは、表面に熱処理技術(窒化加工)を施しており、錆びにくく油なじみが良いとされています。

取手はいくつかのバリエーションがあり、木製で漆塗りのものもあります。

錆止め塗料不使用なので空焼き不要です。

安全なホーロー製おすすめフライパン

ホーロー加工製品でも、内面はフッ素樹脂加工を施してあったり、ダイヤモンドコートを合わせたもの、本体はアルミニウム合金の素材のものなどが数多くあります。

ここでは、鋳物ホーローのフライパン「ル・クルーゼ」と、ステンレス素材にホーロー加工を施した「バーミキュラー」のフライパンをご紹介します。

愛知ドビー / 「Vermicular フライパン」26cm

バーミキュラといえば、鋳物ホーロー鍋や炊飯器などを製造するメーカー。

「鋳物ホーロー」は鉄の持つ熱伝導率の高さと、ホーローの持つ保温性と遠赤外線効果によって、食材の旨みを引き出すことに長けています。

ホーローコーティングは錆びにくく、劣化しない材質で、洗剤で洗うこともできます。コーティングのホーローはカドミウム不使用です。

バーミキュラはリペアプログラムを用意しており、ホーローが剥げたり、取手が壊れたらリペアしてもらうことも可能です。

ル・クルーゼ / 「鋳物ホーロー鍋スキレット」20cm

ル・クルーゼは、フランスのキッチン用品メーカーです。

ル・クルーゼの鋳物ホーロースキレット(ミニフライパン)は、底面が厚く蓄熱性に長けており、保温性が抜群に良いです。

またマットホーローの内面コーティングは、油なじみが良く、焦げつきにくく、さらに熱伝導率が高く食材にむらなく熱を通します。

まとめ

安全なフライパンを選ぶうえで最も重要なのは、素材の特性を理解し、自分の調理スタイルに合った製品を選ぶことです。

この記事のポイントをまとめます。

①フッ素樹脂(PTFE)加工は260℃以下の使用なら安全性に問題なし
②2025年のPFAS規制により、PFOA/PFOSフリーの製品が主流に
③ステンレス・鉄・チタン・ホーローは化学物質溶出リスクが極めて低い
④鉄フライパンは微量の鉄分補給が期待できる唯一の素材
⑤セラミック加工は鉛・カドミウムフリー認証のある製品を選ぶ

「テフロン=危険」という誤解が広まっていますが、現在市販されているフッ素樹脂加工フライパンはPFOAフリーであり、適切な温度管理のもとで使用すれば安全です。一方、化学物質の溶出リスクをゼロにしたい方には、ステンレス・鉄・チタン・鋳物ホーローのフライパンが最適な選択肢です。

よくある質問

Q. フッ素樹脂加工のフライパンは体に悪いですか?

フッ素樹脂(PTFE)そのものは化学的に安定した物質で、260℃以下の通常調理では有害物質は発生しません。かつて製造工程で使われていたPFOA(発がん性が指摘される物質)は、2015年以降ほぼ全メーカーで使用が廃止されています。空焚きや高温放置を避け、コーティングが剥がれたフライパンは買い替えれば、安全に使用できます。

Q. ステンレスフライパンは有害ですか?

ステンレスはクロムとニッケルを含む合金ですが、通常の調理温度では金属の溶出量は極めて微量で、健康への影響はほぼありません。ただし、強い酸性食品(酢や柑橘類)を長時間煮込むとニッケルが溶出する可能性があるため、酸性料理には向きません。ニッケルアレルギーの方はチタンや鉄製を選ぶのがおすすめです。

Q. 安全なフライパンの素材はどれですか?

化学物質の溶出リスクが最も低い素材は、鉄・チタン・鋳物ホーローの3つです。鉄は高温調理に強く鉄分補給も期待でき、チタンは軽量かつ金属アレルギーの心配がなく、鋳物ホーローは保温性と遠赤外線効果に優れています。いずれもコーティングの劣化を気にせず長期間使えるため、安全性と経済性を両立できます。

Q. テフロン加工のフライパンは何度まで安全ですか?

テフロン(PTFE)コーティングは260℃以下での使用が推奨されています。260℃を超えるとコーティングが劣化し始め、360℃以上で有毒ガスが発生する可能性があります。一般的な炒め物は180〜200℃、揚げ物は160〜180℃程度のため、通常の家庭料理では安全範囲内です。空焚きだけは避けてください(空のフライパンは数分で360℃以上に達します)。

Q. 鉄フライパンから溶出する鉄分は体に良いですか?

鉄フライパンで調理すると微量の鉄分が食品に移行し、特に酸性の食品(トマトソースなど)で溶出量が増えます。この鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれ、体内での吸収率はヘム鉄より低いものの、鉄欠乏気味の方には有用です。ただし、鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の方は鉄フライパンの常用を避け、主治医に相談してください。

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この記事を書いた人:Marei Suyama
株式会社good umbrella・有限会社ボルボックス代表。有機農法の先進地として知られる埼玉県小川町に拠点を置き、持続可能な社会と人々の健康に役立つ情報を発信しています。有機食品・フェアトレード製品・健康生活用品、オーガニックコラムなど。
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