歯周病予防に効果のある食べ物

歯周病を予防・改善する食べ物5選

学び
公開日時:2024/04/12

歯肉が赤く腫れてきたり、朝起きると口の中がネバネバしたり、そのような症状が口内に見られる、、実はそれ、「歯周病」かもしれません。

今や誰にでも起こりうる「歯周病」。

今では国民の7割が感染していると言われている病気です。今回はその歯周病を予防する食べ物についてご紹介します。

この記事を書いた人:秋吉佑美
宮崎県生まれ。岡山大学薬学部卒業後、調剤薬局に勤務。
薬剤師として働いている中で、「私達の身体と心は食べたもので出来ている」と感じ、2014年より、薬剤師として働きながら、「薬に頼らない薬剤師」として活動。テレビ、ラジオ出演、レシピ本掲載の経歴あり。
また、ワークショップや大手スーパーにて、レシピ開発にも携わった。
時に薬を使用することは大切だが、薬に頼らない生活を送れるようアドバイスをする、個別カウンセリングも好評。

歯周病を改善する食べ物

①りんご
②チーズ
③玄米
④水
⑤ケール

歯周病とは?

歯周病とは?

Photo by Unsplash of Ozkan Guner

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう恐ろしい病気です。
まずはその原因、歯周病の症状についてみていきましょう。

歯周病の原因

歯磨きをしていて、歯と歯肉の境目の清掃が行き届かない場合、そこに多くの細菌が停滞してしまうことで歯周病は起こります。

また、歯周病を進行させるリスクとして、糖尿病や喫煙、不規則な生活が挙げられます。

更に、歯軋りや食いしばりによっても起こりうることがあるのです。

歯周病の症状

歯周病の症状としては、歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりします。

しかし、ほとんどの場合、痛みがないので自分で気がつきにくい病気。

進行すると膿がでたり歯がゆらゆらと動いてきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまう可能性もあります。

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歯周病と疾患

歯周病と関連する疾患

Photo by Unsplash of Quang Tri NGUYEN

歯周病が発症しているということは、口の中で常に炎症が続いているということです。

その際、炎症によって出てくる毒性の物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。

今回は歯周病が起因となって引き起こされる病気についてみていきましょう。

歯周病と動脈硬化

動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染も挙げられます。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て、血管内にプラークという粥状の脂肪性沈着が出来ると、血液の通り道は細くなります。

そして、プラークが剥がれて血の塊(血栓)が出来ると、血管が詰まったり血管の細いところの血流が滞ります。

そのことにより、血液がきちんと体内に送られなくなり、脳梗塞や心筋梗塞を発症する可能性が示唆されているのです。

歯周病とがん

熊本大学大学院生命科学研究部の研究により、歯周病と食道癌に因果関係があることが証明されました。

歯周病に関連した炎症性物質が血流を介して他の部位に広がり、炎症反応を引き起こし、がんの発症リスクを増加させる可能性があるのです。

また、イギリスのImperial College Londonで行われた研究によると、歯周病のある人は、膵臓がんになる確率が54%高まったという結果も出ており、膵臓がん以外にも、腎がん49%、肺がん36%、血液がん30%とそれぞれ発症リスクが高くなることが分かっています。

歯周病は全身に疾患を及ぼすと考えられ、予防が全身の健康にとって非常に重要と言えるでしょう。

参考文献: Periodontal disease and cancer: Epidemiologic studies and possible mechanisms

歯周病と認知症

認知症は、脳の機能が進行的に低下し、日常生活において思考、判断、記憶、言語、理解力などの能力に障害が生じる疾患の総称です。

認知症にはさまざまな種類がありますが、その中のアルツハイマー型認知症は歯周病との関係があるとさまざまな研究によってわかってきました。

アルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積されることによって発症するとされています。

通常、アミロイドβは分解されて排出されるのですが、何らかの理由で排出されずに蓄積してしまうと、脳の情報伝達が悪くなり、脳の機能が低下してしまいます。

認知症を防ぐためには、アミロイドβの蓄積を防ぐ必要がありますが、実は歯周病菌がアミロイドβの生成・蓄積を促進させるそうです。

その他、認知症由来の疾患

その他に、認知症由来の疾患としては、下記のようなものが挙げられます。

レビー小体型認知症

レビー小体と呼ばれる異常なタンパク質が脳内に生じることで引き起こされる認知症です。パーキンソン病の症状とも関連しています。

血管性認知症

脳血管障害や脳梗塞によって脳内の血液循環が障害され、神経細胞がダメージを受けることによって発症します。(先述した動脈硬化も関与します)

前頭葉や側頭葉の神経細胞が萎縮し、判断力や社会的行動の制御が困難になる病気です。

パーキンソン病認知症

パーキンソン病の進行とともに認知症が発生することがあります。主な症状には運動障害や認知機能の低下が含まれます。

このように、歯周病は脳に深刻なダメージを与えてしまいます。

参考文献 Microglia, amyloid, and cognition in Alzheimer’s disease: An [11C](R)PK11195-PET and [11C]PIB-PET study

歯周病を改善する食べ物5選

歯周病を予防するためには、歯や歯ぐきの健康を保つためにバランスの取れた食事を摂取することが重要です。

以下に、歯周病を予防するのに役立つ食べ物を5つ紹介します。

りんご

歯周病予防のりんご

Photo by Unsplash of Matze Weiss

りんごは食物繊維を多く含むフルーツです。
食物繊維が歯を清掃し、歯周ポケット内の食べ物の残りを取り除くのに役立ちます。

チーズ

歯周病予防のチーズ

Photo by Unsplash of PROJETO CAFÉ GATO-MOURISCO

カルシウムが不足すると、歯よりも、歯周組織に影響を及ぼし、歯を支えている顎がもろくなってしまうため、カルシウムを補う必要があります。

チーズには、歯を強くするために必要なカルシウムやリンが豊富に含まれています。

玄米

玄米には食物繊維が含まれ、体内の不要なものを外へ排出し、コレステロール低下や糖尿病改善にも期待できます。また、ミネラルを含むので、歯周病を予防するのに効果的です。

また、噛み答えもあるため、しっかり噛むことにより認知症の予防になります。

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水を飲むことは口内のpHを中立化させ、口腔内の細菌の増殖を抑制するのに役立ちます。また、水は口の中を洗浄し、口臭を防ぐのにも役立ちます。

ケール

歯周病予防の野菜ケール

Photo by Unsplash of Deborah Rainford

歯周病の予防に役立つビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

特にマグネシウムは不足しやすいので意識してとることで、歯周病の他、虫歯を予防することにも繋がります。

参考文献 生活習慣病予防(厚生労働省)

歯周病予防は定期的な検診が重要

いかがでしたか?

歯周病には、普段の食生活やライフスタイルも深く関わってきます。

またその他の病気にも繋がる恐れがあるため、きちんとケアしていくことが大切です。そのためにも、定期的な歯科受診をしましょう。

Photo by Unsplash of Elsa Olofsson

この記事を書いた人:秋吉 佑美
宮崎県生まれ。岡山大学薬学部卒業後、調剤薬局に勤務。 薬剤師として働いている中で、「私達の身体と心は食べたもので出来ている」と感じ、2014年より、薬剤師として働きながら、「薬に頼らない薬剤師」として活動。テレビ、ラジオ出演、レシピ本掲載の経歴あり。 また、ワークショップや大手スーパーにて、レシピ開発にも携わった。 時に薬を使用することは大切だが、薬に頼らない生活を送れるようアドバイスをする、個別カウンセリングも好評。
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