オーガニックプロテイン

オーガニックプロテインを選ぶべき本当の理由【おすすめプロテイン5選も】

学び
公開日時:2024/02/28
更新日時:2025/02/06

プロテイン、つまりたんぱく質は私たちの身体と健康のために欠くことができない栄養素です。

とくに日常的に運動をする人は、筋肉の成長と回復のために、食事以外にもプロテイン・パウダーを活用すると便利です。

特にオーガニックのプロテインには健康面での利点がより多いことが様々な研究から明らかになっています。

健康 筋肉 プロテイン
Photo by Unsplash of Andrew Tanglao

健康、美容、スポーツ能力の向上、その目的が何であれ筋肉質な身体作りに関心のある方は、定期的な筋トレたんぱく質を含めた栄養補給が筋肉を成長させる要素として両輪を担うことはすでにご存知でしょう。

プロテイン・パウダーは栄養補給を効率よく支えてくれるツールです。しかし、プロテイン・パウダーの機能面だけに目を向けていると、思わぬ落とし穴が待っています。

安全なオーガニックプロテイン(無添加)
製品名 有機ヘンププロテイン オーガニックプロテイン カカオ&メープル ソイプロテイン 国産・無添加 オーガニックプロテイン オーガニックインカインチプロテイン
HEMPS 有機ヘンププロテイン ノバスコシアオーガニックス オーガニックプロテイン カカオ&メープル GRON (グロン) ソイプロテイン スーパーフード配合 メリリマ オーガニックプロテイン アルコイリス オーガニックインカインチプロテイン
メーカー HEMPS ノバスコシアオーガニックス GRON メリリマ アルコイリス
オーガニック認証 有機JAS認定・EUオーガニック認証 有機JAS認証・USDA認証 有機JAS認証 有機JAS認証
風味 甘みのない、きな粉のような風味 甘さ控えめのココア風 甘さ控えめ、ターメリックのような風味 きな粉のような風味 ナッツのような風味
原材料等 有機ヘンプシード/人工甘味料・添加物・遺伝子組み換えの原料不使用 有機発芽玄米、有機エンドウ豆、有機チアシード/人工甘味料・添加物・遺伝仕組み換えの原料不使用 国産大豆、有機クコの実、マカ、ビーツ、紅芋などの根菜類/人工甘味料・添加物・遺伝子組み換え原料不使用 有機ヘンプパウダー、有機アガベシュガー、有機カカオパウダー、有機キヌアパウダー、有機チアシードパウダー、有機サチャインチパウダー、有機ルクマパウダー、有機バナナパウダー、有機マカパウダー/保存料・着色料不使用 有機インカインチ/甘味料、香料、保存料などの添加物不使用
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この記事を書いた人(監修):角谷 剛
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持ち、現在はカニリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務めるほか、同州ラグナヒルズ高校で野球部コーチを兼任。また、カリフォルア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

プロテイン・パウダーは必要なのか?

たんぱく質は多くの食べ物から摂取できる栄養素です。

大別すると、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があります。動物性たんぱく質は肉、魚、卵、乳製品などに含まれ、植物性たんぱく質は大豆、豆腐、納豆などから摂ることができます。

つまり、本来なら私たちはバランスの良い食生活を送っている限り、必要なたんぱく質を摂取できているはずなのです。

野菜サラダ 豆 タンパク質
Photo by Unsplash of Calvin Shelwell

しかし、誰もがいつも健康的な食事をできるとは限りません。忙しくて、あるいは面倒で、おにぎりやカップラーメンなどで食事を済ましてしまった場合、たんぱく質は(他の大切な栄養素も含めて)不足してしまいます。

プロテイン・パウダーはそうした場合にとても有効なサプリメントです。

ただし、一般的にサプリメント製品は医薬品や食物と比較すると規制が緩やかなので、製品の安全性と品質については消費者自身がより注意する必要があります

プロテイン・パウダーのメリット

利便性

調理の手間をかけることなく、手軽に素早くたんぱく質を摂取することができます。

筋肉の成長促進

アミノ酸の含有量が多いため、筋トレ後の回復と成長を促進します。

体重管理

低カロリー製品を選べば、摂取エネルギーを減らすことができます。

栄養補給

たんぱく質に加えて、ビタミンやミネラルといった栄養素を含む製品があります。

選択肢

ビーガンやベジタリアン、あるいは乳糖不耐症の人は、植物性の製品を選ぶことができます。

プロテイン・パウダーのデメリット

費用

良質の製品は自然の食物(例:卵や鶏肉など)に比べると高価格になります。

消化器系の問題

人によっては膨満感やガスなどの不快感を覚えることがあります。乳糖不耐症の人はとくに注意が必要です。

含有物

一部の製品には人体に害がある物質(鉛、ヒ素、カドミウムなど)や低品質の成分が含まれている可能性があります。

余分なカロリー

不必要な量を摂取すると体重増加に繋がります。

腎臓の負担

特に既存の腎臓疾患のある人の場合、時間の経過とともに腎臓に過大な負担をかける可能性があります。

すべてのプロテイン・パウダーは同じようには作られてはいません。適切な製品を選び、正しく摂取する限りは有益なサプリメントです。

たんぱく質の摂取量を増やし、筋肉の回復を促進し、体重管理に役立ちます。

ただし、費用、消化の問題、品質への懸念、過剰摂取になりやすいことなど、潜在的なリスクも考慮することが大切です。

そこでプロテイン・パウダーを選択する際に、その製品がオーガニックかそうでないかは重要な判断基準となります。

「オーガニック」なプロテインとは?

オーガニックなプロテインとは?
Photo by Unsplash of Nature Zen

一般的に、オーガニック食品が健康に良いことは今さら述べるまでもありません。

プロテイン・パウダーで言えば、オーガニックとは植物性たんぱく質なら合成殺虫剤や除草剤にさらされていない栽培方法のもの、動物性たんぱく質なら抗生物質を与えない飼育方法のものを指します。

化学残留物が少ない

オーガニック・プロテインをおすすめする最大の理由は化学残留物が少ないことです。

植物性たんぱく質はもちろんですが、オーガニックではない動物性たんぱく質には抗生物質、ホルモン、殺虫剤などが含まれていることがよくあります。

これらの化学物質は、長期間摂取すると人間の健康に悪影響を与える可能性があります。

『Environment Health Perspectives』誌に掲載された研究(*1)によると、オーガニックの肉製品は従来の方法で生産された肉よりも残留農薬レベルが低く、抗生物質耐性菌のリスクが低いことが判明しました。

*1. Organic Diets Significantly Lower Children’s Dietary Exposure to Organophosphorus Pesticides

たんぱく質以外の栄養素も多い

人の口に直接入る野菜や果物、そして家畜の餌として使用される穀物を含めて、オーガニックな農産物はミネラルや栄養素が豊富な健康的な土壌で栽培されています

このことは、オーガニック・プロテインにはビタミンC、鉄、マグネシウム、リンなどの必須ビタミンやミネラルが豊富に含まれていることを意味します。

British Journal of Nutritionに掲載された研究(*2)はオーガニックな農産物はそうでないものと比較して、栄養的に望ましい抗酸化物質のレベルが高いと結論づけています。

*2. Higher antioxidant and lower cadmium concentrations and lower incidence of pesticide residues in organically grown crops: a systematic literature review and meta-analyses

また、個人的な健康の範囲に留まらず、地球環境保護の観点からオーガニック・プロテインを志向する人も多いでしょう。

非オーガニックなプロテインに潜むリスク

一方で、オーナニックではないたんぱく質の原材料には以下のような潜在的なリスクを含んでいる可能性があります。

化学残留物

農薬や除草剤の残留物が様々な健康面での悪影響を及ぼす可能性。

抗生物質耐性

家畜の飼育に使用される抗生物質が人間にも耐性を作り、感染症の治療効果が低下する可能性。

合成ホルモン

成長ホルモンやエストロゲンなど人体の自然なホルモンバランスを乱す可能性。

これらに加えて、非オーガニックのプロテイン・パウダーには様々な添加物が含まれている場合が多いです。

人工甘味料

カロリーを追加せずに味を高めることが目的。スクラロース、アスパルテーム、アセスルファム・カリウムなど。

人工香料

味付けのために人工的に合成されたフレーバー。

増粘剤と安定剤

アーガム、キサンタンガム、カラギーナンなど。

防腐剤

保存期間を延ばすことを目的とした人工成分。

人工色

見た目を良くするための合成色。

充填剤

容量を増やすために足されるマルトデキストリンやコーンスターチなど。

こうした添加物は少量であればさほど有害ではないかもしれませんが、日常的かつ継続的に摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。できるだけ避けた方が良いでしょう。

選択肢としてのオーガニック・プロテイン

選択肢としてのオーガニックプロテイン
Photo by Unsplash of Nature Zen
プロテイン・パウダーに限った話ではありませんが、どのような食品でもオーガニックと非オーガニックのどちらを選ぶかは、個人の健康に対するリテラシー、さらには地球環境への姿勢を反映させます。

オーガニック・プロテインは値段がやや高く、コストパフォーマンスは良いとは言えません。また風味も比較的シンプルで味気ないものが多いかもしれません。

しかし、長期的な視座に立てば体内に化学物質を摂取するリスクを減らし、栄養価を高め、そして持続可能な環境に対して役立つといったメリットがあります。

動物性たんぱく質ならオーガニックの牧草で育てられた牛肉や放し飼いの鶏肉。植物性たんぱく質なら有機栽培された大豆。

そうした原材料を使用したオーガニック・プロテインへ切り換えてみてはいかがでしょうか。

オーガニックプロテインの選び方
商品パッケージのラベルからすべての成分を把握することは容易ではありませんが、商品がオーガニックかどうかを簡単に判断する方法もあります。
国産品なら「有機JASマーク」、米国やEUからの輸入品ならそれぞれのオーガニック認証マークがついていれば、その商品はオーガニックであると公的なお墨付きだということです。

おすすめオーガニックプロテイン5選

HEMPS 有機ヘンププロテイン

ヘンプは麻の一種で、その種子をすり潰してパウダーにしたものがヘンププロテイン。

ヘンプシード(種子)は、100g中のタンパク質50gと、半分がタンパク質で、さらに豊富なミネラルを含みます。

さらにヘンプは少ない農薬や肥料で育つ作物なので、地球環境に優しいサスティナビリティな植物です。

きな粉のような風味で、甘さはほとんどないので、アーモンドミルクやミルクと合わせて、蜂蜜や果物を添えても良いかもしれません。

他にも、食事から摂り入れる必要のある脂質「必須脂肪酸」も1.6gと多く含まれており、オメガ3:オメガ6の割合が1:3と、厚生労働省の厚生労働省の推奨する必須脂肪酸の摂取目安に最も近い、理想バランスで含んでいるプロテインです。
また、鉄:4.9mg、銅:0.6mg、マグネシウム:193.4mg、亜鉛:2.9mg、ビタミンB1:0.23mg、ビタミンB6:0.16mgと、ミネラルも豊富。
食物繊維が4.2g含まれ、食事制限や肉体改造だけでなく、毎日の栄養補給にぴったりのプロテインです。
created by Rinker
HEMPS
EUオーガニック認証取得・国内有機JAS認定取得の有機ヘンププロテイン。無添加・NON GMO(遺伝子組み換えフリー)の原材料使用。

ノバスコシアオーガニックス オーガニックプロテイン カカオ&メープル

ノバスコシアオーガニックスのプロテインは3種の有機素材(有機発芽玄米、有機エンドウ豆、有機チアシード)で作られたブレンドプロテインです。

チアシードはオメガ3脂肪酸も含み、食物繊維も豊富なスーパーフードです。その他、100%植物性の原材料を元に作られたヴィーガン仕様のプロテインで、グルテンフリー、ソイフリーです。さらに遺伝仕組み換えの原材料不使用。

1杯76kcalで、タンパク質を摂取しながらもダイエットにも最適です。添加物不使用で、オーガニックJAS認証済み。

ココアのような甘さ控えめのプロテインで、アーモンドミルクや豆乳と相性が良いです。蜂蜜を入れてもgood

1杯でタンパク質12g、体内で合成ができない分岐鎖アミノ酸BCAA(バリン400mg、ロイシン400mg、イソロイシン500mg)を含む17種類のアミノ酸、鉄分(1.75mg)、オメガ3(0.2g)を補給。
アミノ酸含有量/アラニン:0.6g、アルギニン:1.0g、アスパラギン酸:1.0g、シスチン:0.1g、グルタミン酸:1.9g、グリシン:0.7g、ヒスチジン:0.2g、イソロイシン:0.5g、ロイシン:0.4g、リシン:0.3g、メチオニン:0.3g、フェニルアラニン:0.5g、プロリン:0.4g、セリン:0.3g、トレオニン:0.5g、チロシン:0.5g、バリン:0.4g
ノバスコシアオーガニックス オーガニックプロテイン カカオ&メープル
ノバスコシアオーガニックス

GRON ソイプロテイン 国産・無添加

GRON ソイプロテインは、一食20gでたんぱく質約11gを含むソイプロテイン。 国産大豆、有機クコの実、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールを含むマカ、ビーツ、紅芋などの根菜類で作られています。

ヴィーガン対応(植物性の原料のみを使用)、遺伝子組み換え原料不使用、グルテンフリー、乳製品不使用、食品添加物不使用 (香料、保存料、着色料 等)、人工甘味料不使用 (ステビアやラカント含む)。

植物性の原料のみにも関わらず、ホエイプロテイン同等の良質タンパク質が含まれています。

甘さ控えめでターメリックのような風味。水でもアーモンドミルクにでも合います。

一食20gで約11gのプロテインを含有。74kcal、たんぱく質10.9g、脂質0.6g、炭水化物6.6g (糖質5.5g、食物繊維1.1g)、食塩相当量 0.4g、カリウム91.4mg、カルシウム41mg、マグネシウム23mg、鉄 1.96mg、ポリフェノール 132.8mg、イソフラボン 84.8mg、バリン 653mg、ロイシン 1061mg、イソロイシン 612mg、アルギニン 1030mg、トリプトファン174mg、フェニルアラニン 697mg
created by Rinker
GRON
沖縄産の紅芋、熊本県産ビーツ、アンデス産マカ、中国・青海産クコの実を配合した国産プロテイン。 食品添加物不使用 (香料、保存料、着色料等)、人工甘味料、白砂糖・ステビアなどの甘味料不使用。 ヴィーガン対応(植物性の原料のみを使用)、遺伝子組み換え原料不使用、グルテンフリー、乳製品不使用です。

メリリマ オーガニックプロテイン

有機アガベシュガーを使ったヘンププロテイン。100%植物性でヴィーガンの方にもオススメです。

有機JAS認証。保存料・着色料不使用です。

原材料は全て有機植物性。有機ヘンプパウダー、有機アガベシュガー、有機カカオパウダー、有機キヌアパウダー、有機チアシードパウダー、有機サチャインチパウダー、有機ルクマパウダー、有機バナナパウダー、有機マカパウダー。

きな粉のような優しい風味で、スムージーやヨーグルトに入れたり、パンケーキ、焼き菓子などにも活用できます。

栄養成分表示 (20g当たり) / 72.6kcal、たんぱく質 7.4g、脂質 1.9g、炭水化物8.2g (糖質4.6g、食物纖維 3.6g)、食塩相当量 0g、亜鉛 2.0mg カルシウム 38mg、 鉄 3.2mg(47%)、 マグネシウム 112mg(35%)、ビタミンB1 0.22mg、ビタミンB6 0.20mg
created by Rinker
メリリマ
有機JAS認証。保存料・着色料不使用 原材料: 有機ヘンプパウダー、有機アガベシュガー、有機カカオパウダー、有機キヌアパウダー、有機チアシードパウダー、有機サチャインチパウダー、有機ルクマパウダー、有機バナナパウダー、有機マカパウダー

アルコイリス オーガニックインカインチプロテイン

強力な抗酸化力を持つオメガ3が豊富なインカインチオイルから脂質を除去し製造されたナチュラルプロテインです。

甘味料や香料等の添加物は一切不使用。

グリシン、アスパラギン酸、トリプトファンなどアミノ酸組成に優れたたんぱく質を100g中60g含んでいます。

さらにカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分のミネラル、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸(α‐リノレン酸)、食物繊維などの栄養素も併せて摂取できます。

ナッツのような香ばしい風味で、ヨーグルトやシリアルに合わせたり、スープ、味噌汁などと相性が良いと思います。

created by Rinker
アルコイリス
甘味料、香料、保存料など一切不使用。 100%ナッツ由来プロテイン。有機JAS認証。
この記事を書いた人:角谷 剛
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持ち、現在はカニリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務めるほか、同州ラグナヒルズ高校で野球部コーチを兼任。また、カリフォルア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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