タルマーリーは鳥取県智頭町にある、自家製酵母と国産小麦だけで作るパン屋さん。
元々は千葉県のいすみ市でご夫婦で開業し、2011年の東日本大震災の後、岡山県に移転して天然麹菌の自家採取を成功させます。
天然麹菌はその名の通り、自然に存在する麹菌をそのまま利用したものです。日本には味噌、醤油、酒、酢など数多くの発酵食品がありますが、それらの製造には「麹菌」が欠かせません。自然環境から採取された麹菌は、その地域や環境条件によって微生物の種類・特性が異なります。そのため、特定の地域から採取された麹菌は、その土地固有の食品を製造する際に重要な役割を果たします。
2015年には、2015年鳥取県智頭町へ移転し、パン製造によって培った発酵技術を活かして、野生の菌で発酵させるクラフトビール製造を開始します。
タルマーリは「パンを作れば作るほど、地域社会と環境が良くなっていく」事業を目標に、パンとビールの製造販売、カフェの営業、2022年からは一棟貸しホテルも営業開始されました。
自家製酵母のタルマーリのパン
現代では純粋培養技術の進化によって、純粋培養のイースト菌を使えばどこでも安定的にパンを作ることができるようになりました。
逆に言えば、純粋培養されたイースト菌では風味や食感に差がなくなり、地域の特徴は画一的になってしまいます。
タルマーリーでは自家培養した野生の菌を発酵させてパンを作ります。5種類もの酵母を使い分けて、さまざまな食感や味わいの異なる芳醇なパンを提供しています。
交通の便が良いとは言えない智頭町の片隅に構えた瀟洒なパン屋さん、ぜひ遊びに行ってみてください。