遺伝子組み換えでない大豆

【遺伝子組み換えでない】安全な納豆・豆腐の見分け方

学び
公開日時:2023/08/23
更新日時:2024/01/25

近年、遺伝子組み換え技術の向上にともない、さまざまな種類の遺伝子組み換え食品がスーパーに登場するようになりました。

遺伝子組み換え技術の活用により、安価で豊富な輸入食品が生まれた一方、健康面での不安や環境への影響も懸念されています。

新しい技術である遺伝子組み換えは研究開発の途上であるため、十分な分析・検証が行われ安全性が確立するには時間がかかります。

今回は、遺伝子組み換えのメリットとデメリットを踏まえ、代表的な遺伝子組み換えの作物である大豆を原材料にした「納豆」「豆腐」を取り上げ、スーパーで探せる「遺伝子組み換えでない」製品をご紹介します。

遺伝子組み換えとは?

遺伝子組み換えとは、大豆やトウモロコシなどのの農作物に対して、別の作物の細胞から採取した遺伝子(DNA)の一部を取り入れ、その遺伝子の持つ新たな特性を発現させる技術です。

例えば、害虫に抵抗力のあるトウモロコシや、除草剤に強いナタネ、有用成分を増幅させた大豆などの農作物が開発されています。

従来の「品種改良」と比べ、効率良く作物の機能性を向上させることができるため、安価でより早く作物の性質を変化させることができます。

そんなわけで、消費量が多く、大量生産が求められる「大豆」「トウモロコシ」に対して、より迅速に遺伝子組み替え技術の導入が進み、それらを原料とした加工食品も多く市場に出回っているわけです。

作物 遺伝子組み換えによる特性
大豆 特定の除草剤で枯れない
特定の成分(オレイン酸など)を多く含む
ジャガイモ 害虫に強い
ウィルス病に強い
ナタネ 特定の除草剤で枯れない
トウモロコシ 害虫に強い
特定の除草剤で枯れない
ワタ 害虫に強い
特定の除草剤で枯れない
てんさい 特定の除草剤で枯れない
アルファルファ 特定の除草剤で枯れない
パパイヤ ウイルスに強い

出典:遺伝子組み換え食品の安全性について – 厚生労働省

遺伝子組み換え食品のメリット・デメリット

遺伝子組み換え大豆

遺伝子組み換えのメリット

先述したように、遺伝子組み換え食品は今まで品種改良では生まれなかった特性を持つ農作物を生み出すことができます。

例えば害虫に強いトウモロコシは、必要以上の農薬の散布が不要になりコストカットを実現できます。また、特定の除草剤で枯れない大豆は、除草剤による大豆への影響を気にすることなく雑草を防除できるため、作業の軽減を図ることができます。

例えば、米国の化学企業「モンサント」の開発した「ラウンドアップレディ大豆」は、同社の開発したグリホサート除草剤(ラウンドアップ)でも枯れません。
除草剤散布による人体への影響についてはコチラ

残留農薬とは?農薬のメリット・デメリット【各国の農薬使用量ランキング】

このような新しい品種は、食料問題や労働の生産性に大きく寄与することが期待されています。

遺伝子組み換えのデメリット

一方、遺伝子組み換え作物の人体への影響を懸念する論調もあります。

また、先述した除草剤耐性のある遺伝子組み換え大豆の畑には大量の除草剤が撒かれ、農薬による健康被害や環境の汚染が懸念されます。

こうした遺伝子組み換え作物の普及による二次被害への安全性を検証していく必要があるでしょう。

遺伝子組み換えの大豆は危険?

遺伝子組み換え大豆の長期的な影響
日本での遺伝子組み換え食品についての安全性は「食品衛生法」によって審査され、問題ないと評価されたもののみ流通ができることとなっています。

遺伝子組み換え食品の検査は、遺伝子組み換え作物が従来の作物と実質的に同じものという意味を持つ「実質的同等性(*)」という基準で評価されますが、遺伝子組み換え食品の長期的な健康上の影響、また妊婦や胎児への健康被害も懸念されています。

*同じ作物の場合、既存の作物と同じと考えられるならば、「さらなる安全性または栄養上の懸念は重要ではない」という考え方

また、1980年台に昭和電工が開発した遺伝子組み換え食品による食品事件(トリプトファン事件)では、38人もの死者(6,000人の健康被害)を出しています。(遺伝子組み換え食品の製造の過程での過失と言われています。)

現時点で利用可能な科学的証拠に基づくならば、L-トリプトファンのサプリメントを摂取した人々に発生した大規模健康被害(EMS)が、L-トリプトファンの内容物に由来するのか、不純物に由来するのか、あるいは互いに関係するこれら2つの組み合わせに由来するのか、それとも未知の外的要因に由来するのかについて、我々は確信を持って特定することができない。

遺伝子組み換えとグリホサート

ラウンドアップ
遺伝子組み換えの普及により、不安視されている大きな問題として、環境保全への影響も懸念されています。

例えば、遺伝子が組み換えられた作物の花粉が飛散し、近隣の田畑に影響を及ぼすことも考えられます。

ラウンドアップ
先にも述べたように世界的シェアを持つアグロバイオ企業であるモンサントは、自社製品の「ラウンドアップ(除草剤)」に耐性を持つ遺伝子組み換え作物を開発しました。
ラウンドアップ製造工場の廃液の中のラウンドアップに耐性を持つ微生物が存在したことから、その遺伝子をゲノム編集技術によって大豆に加え、除草剤の耐性を持つ「ラウンドアップレディ大豆」を作り出しました。
ラウンドアップという除草剤は植物全般を防除する強力な薬品ゆえに、農作物の田畑に頻繁に撒くことはできません。
しかしこのラウンドアップ耐性を持つ遺伝子組み換え作物であれば、ラウンドアップを大量に撒いても枯れることはなく、雑草のみ防除することができます。
このシステムを使ってモンサントは、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え作物の種子と、ラウンドアップを抱き合わせで売るマーケティング戦略を展開しています。

さて、このグリホサートという農薬は、各国でさまざまな健康被害を警句されています。

WHOの国際がん研究所(IARC)は2015年、グリホサートの発がん性分類を、5段階分類で上から二番目のリスクのあるグループ2A(ヒトに対しておそらく発がん性を有する)にランク付けしました。それ以降、欧州各国や、コロンビア、ベトナム、インドなど、各国でグリホサートの使用・販売や輸入規制が強まっています。

また、2018年には、ラウンドアップの使用によって末期がんを患ったと主張する訴訟で、米国カリフォルニアの裁判所は米モンサント社に320億円の賠償を命じる評決を出しました。米国では、同様の訴訟が1万件を超えているといいます。

対して日本では、グリホサートの規制はしておらず、稲作や野菜などの栽培に依然として使われており、ホームセンターや100円ショップでもよく見かけます。

グリホサートの実害報告

非ホジキンリンパ腫の増加

米国・カナダ・スウェーデンの職業被ばくによる症例対照研究では、農業労働者の血中や尿にグリホサートが検出されており、非ホジキンリンパ腫の増加がみられ、さらに動物実験ではすい臓の膵島細胞腫が見つかったり、血管肉腫や尿細管がんが発生しました。

さらに、2019年の国際疫学ジャーナルで掲載された国際がん研究機関の発表によると、グリホサートの使用頻度が高い農業従事者は非ホジキンリンパ腫にかかる確率が高いことが示されました。(米国・仏・ノルウェー)

自閉症スペクトラム障のリスク

2019年3月20日のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルによると、カリフォルニア大学の調査で、出生前・出生後一年目までにグリホサート系農薬に暴露した子どもは、暴露していない子どもに比べて、自閉症スペクトラム障害になるリスクが上昇することが示されました。

肝臓がんを誘発する非アルコール性脂肪肝疾患のリスク

2017年1月9日のサイエンティック・リポート(英)によると、2017年のロンドン大学研究チームの発表では、4g/日という微量のグリホサートを長期摂取すると、脂肪肝疾患のリスクが起きていたとのことです。

このように、グリホサートの摂取による症例(妊娠期間の短縮化、出生異常、自閉症の増加、 認知機能の低下、 腸 内細菌への影響、腎臓病、 癌化、脂肪肝の増加)が世界で見られています。

遺伝子組み換え表示

遺伝子組換え作物とその加工食品に対しては、食品表示基準に基づき、遺伝子組み換え表示制度が定められています。

この遺伝子組み換え表示制度は、2023年4月に新しい表示ルールが施行されました。

これまでは、意図せざる混入を5%以下に抑えている大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品は、「遺伝子組み換えでない」と表示することができました。

しかし新制度では、「遺伝子組み換えではない」と表記するには、第三者分析機関による証明書の書類が必要になります。

以下は、表示方法になります。

表示 内容
遺伝子組み換えではない / 非遺伝子組換え 適切に分別生産流通管理を実施し、遺伝子組換え農産物の混入がないことを確認した非遺伝子組換え農産物及びこれを原材料とする加工食品。
また、確認方法は第三者分析機関等によ分析が課せられ、証明する書類等を準備する必要があります。
分別生産流通管理済み / 遺伝子組換え混入防止管理済 分別生産流通管理をして、意図せざる混入を5%以下に抑えている大豆及びとうもろこし、またはそれらを原材料とする加工食品

遺伝子組み換え表示義務の対象となる農産物・加工食品

対象農作物 対象加工品
大豆(枝豆および大豆もやしを含む) 1 豆腐・油揚げ類
2 凍り豆腐、おからおよびゆば
3 納豆
4 豆乳類
5 みそ
6 大豆煮豆
7 大豆缶詰および大豆瓶詰
8 きなこ
9 大豆いり豆
10 1から9までに掲げるものを主な原材料とするもの
11 調理用の大豆を主な原材料とするもの
12 大豆粉を主な原材料とするもの
13 大豆たんぱくを主な原材料とするもの
14 枝豆を主な原材料とするもの
15 大豆もやしを主な原材料とするもの
とうもろこし 1 コーンスナック菓子
2 コーンスターチ
3 ポップコーン
4 冷凍とうもろこし
5 とうもろこし缶詰・とうもろこし瓶詰
6 コーンフラワーを主な原材料とするもの
7 コーングリッツを主な原材料とするもの(コーンフレークを除く)
8 調理用とうもろこしを主な原材料とするもの
9 1~5を主な原材料とするもの
ばれいしょ 1 ポテトスナック菓子 
2 乾燥ばれいしょ 
3 冷凍ばれいしょ
4 ばれいしょでん粉
5 調理用ばれいしょを主な原材料とするもの
6 1~4を主な原材料とするもの
なたね
綿実
アルファルファ アルファルファを主な原材料とするもの
てん菜 調理用てん菜を主な原材料とするもの
パパイヤ パパイヤを主な原材料とするもの
からしな

出典:食品表示基準 別表第17

安心な納豆・豆腐の見分け方

スーパーには数多の大豆商品が陳列されており、納豆や豆腐も大豆製品の一つです。

日本のスーパーに売っている大豆製品は、その半分ほどが国産の大豆を原材料としています。

ただし、「遺伝子組換えではない」表示の大豆が使われている納豆や豆腐は少なく、ほとんどが分別生産流通管理表記の商品か、またはアメリカ・カナダ産の大豆を使用しています。

とくに国産大豆使用で、さらに「遺伝子組み換えではない」表示の大豆が使われている納豆は驚くほど少なく、数えるほどしかありません。

ですから「遺伝子組み換えではない」大豆を原材料にした納豆や豆腐を探すには、国産大豆100%を使用した商品を探しましょう。(国内では遺伝子組み換えの大豆は現在栽培することができません。)

*参考:遺伝子組換え生物等の承認と確認

遺伝子組換え大豆 不使用の納豆

くま納豆 北海道産大豆100%

くま納豆は「遺伝子組み換え混入防止確認済」という表記ですが、北海道産大豆100%ですので、遺伝子組み換え大豆不使用です。(参考:豆の文志郎
納豆のたれに保存料・着色料・化学調味料無添加なのも嬉しいですね。

生板納豆 国産有機納豆

茨城県稲敷郡は生板(まないた)という場所で作られている国産有機(JAS認証- 青いパッケージ)の納豆。
たれの原材料も勇気にこだわっており、合成保存料、着色料、増粘剤不使用。遺伝子組み換え農産物も不使用です。

飛騨納豆

岐阜県飛騨市の地下9メートルから汲み上げた井戸水を使用して製造された納豆。こちらも遺伝子組み換えではない大豆を使用しています。

北の大豆 北海道産大豆(太古食品)

北海道産の丸大豆を100%使用した柔らかな触感が特徴の北の大豆。着色料不使用のカラシなど、たれ素材にもこだわっています。
遺伝子組換えでない大豆使用。

北の大豆小粒納豆 (120g×3)×2個
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太子食品

遺伝子組換え大豆 不使用の豆腐

アサヒコ 国産大豆100% 濃い豆乳のとうふ

原材料名/丸大豆(国産)(遺伝子組換えでない)
添加物/凝固剤 – 塩化マグネシウム含有物(にがり)

アサヒコ 国産大豆100% 濃い豆乳のとうふ
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Asahiko

アサヒコ 大山阿夫利 国産大豆100%

原材料名/丸大豆(国産 遺伝子組みかえでない)

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Asahiko
国産大豆を100%使用し丹沢山系の伏流水と国産の海水にがりを使った自然の恵みのお豆腐です。

大分県産豆腐 フクユタカ

原材料名/大分県産大豆(遺伝子組み換えでない)、にがり(塩化マグネシウム)
大分県産こだわり大豆「フクユタカ」を100%使用しています(JAおおいた契約栽培大豆100%)。大豆本来の味と風味が堪能できるお豆腐です。

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大津留食品
大分県産大豆フクユタカ100%使用 徳島県鳴門市の海水を原料としたミネラルが程よく含まれるにがり使用

丹沢大山五右衛門 豆腐

原材料名/丸大豆(遺伝子組み換えでない)、凝固剤(塩化マグネシウム含有物[にがり])

ヤシマ食品 やしまとうふ

ヤシマ食品 やしまとうふ
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ヤシマ食品
山形産大豆100%

この記事を書いた人:Marei Suyama
株式会社good umbrella代表。東京と岡山の山間部を行き来して生活しています。 持続可能な社会を作るため、また人々の健康のための役に立つ情報・tipsをご紹介します。有機食品・フェアトレード製品・健康生活用品、オーガニックコラムなど。
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