ゴーヤ

がん予防効果が凄いゴーヤの栄養素【ゴーヤジュースの作り方】

野菜・果物
公開日時:2023/08/18
更新日時:2024/01/25

夏になると街中でも庭先にグリーンのカーテンを彩るゴーヤ。

スーパーには沖縄産や熊本産のゴーヤが並びますが、自家菜園でゴーヤを育てる方も多いですよね。

今回は、研究論文を検証しながら、ゴーヤの栄養素と病気予防効果、そして効率良く栄養を摂取するための美味しいレシピ(ゴーヤジュース)を紹介します。

ゴーヤの栄養素

ゴーヤの特筆すべき栄養素「ビタミンC」

ゴーヤのビタミンC
ゴーヤに含まれる主な栄養素は、ビタミンC、食物繊維、カリウム、葉酸

特にゴーヤのビタミンCは、100g当たり76mg含まれており、効率良くビタミンCが摂取できます。

76mg/100gというと、野菜の中でもビタミン含有は多いほうで、およそキャベツの2倍、小松菜の1.9倍、ほうれん草の2.1倍、トマトの5倍、レタス(結球)の15.2倍、レモン果汁の1.5倍です。

ビタミンCは、生物学的に重要な機能を持つ水溶性のビタミンですが、ヒトの体内で合成することができないため、食事から摂らなくてはなりません。

ビタミンCは化学名でアスコルビン酸と言われ、コラーゲンの生成に不可欠な化合物です。アスコルビン酸は、血管や骨、歯などの健康を維持する働きを持つほか、日焼け防止や、病原菌に対する免疫力を強化する効果もあります。

また、アスコルビン酸の持つ強力な抗酸化作用によって、がんや動脈硬化の予防も期待できます。

参考文献:進行期がん患者における高用量ビタミンC (2021)

ゴーヤのビタミンCは加熱で死なない?

他の野菜と違って、油で炒めてもゴーヤの栄養素はほとんど変化しません。(下記表)

100g当たりの栄養素 エネルギー タンパク質 脂質 食物繊維 炭水化物 カリウム β-カロテン 葉酸 ビタミンC
ゴーヤ(生) 15kcal 1.0g 2.6g 0.1g 3.9g 260mg 160μg 72μg 76mg
ゴーヤ(油炒め) 47kcal 1.2g 2.8g 3.3g 4.6g 260mg 180μg 79μg 75mg

参考資料 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
上記の栄養素は、わたと種を取り除いた部分です。

通常ビタミンCは加熱に弱く、多くの野菜のビタミンCは火を通すと分解されてしまいます。

しかしゴーヤに含まれるビタミンC(アスコルビン酸)は、高温下でもその成分を保持されるという研究もあり、ゴーヤチャンプルなど炒め物にしてもしっかりビタミンCを摂取できます。

参考文献:ゴーヤの抗酸化活性とアスコルビン酸含量に及ぼす加熱処理による影響

ビタミンCの過剰摂取は危険?

近年、ビタミンCの過剰摂取が、活性酸素を作り出し、細胞死を招く可能性を指摘する研究があります。

しかし、がん患者に大量のビタミンCを投与したランダム化対照試験で、ビタミンCの高用量の摂取であっても深刻な有害事象はほとんどないことがわかっています。

参考文献:がん患者の治療におけるビタミンC(アスコルビン酸)の効果:系統的レビュー (2019)

ゴーヤの効能


ビタミンCの他にも、葉酸(100g当たり72mg)の含まれる量が比較的高く、葉酸の多いキャベツと同等(1.09倍)の含有量です。

カリウム(100g当たり260mg)も、キャベツの190mgと比べても高い含有量ですね。

またゴーヤにはモモルディシンやチャランチンなど、ククルビタシン類という苦味の元となる成分も含まれており、これらの成分は、血糖値降下作用や血圧降下作用・鎮痛作用などの機能がある他、胃酸の分泌を促して食欲不振を解消する働きを持つそうです。

参考文献:ゴーヤの有効成分モモルディシンの同定と定量

がん細胞の増殖を抑制するゴーヤの効能(研究論文を読み解く)

また、ゴーヤの成分は糖尿病効果に加えて、様々な悪性腫瘍(リンパ性白血病、リンパ腫、皮膚がん、乳がん、前立腺がん、膀胱がん、結腸がん)に対する潜在的な予防効果、および抗がん効果を発揮することが前臨床試験によって分かっています。

参考文献:「ゴーヤの生物活性が癌の予防と治療に期待される」 – ScienceDirect
参考文献:「ゴーヤ、がんの予防と治療のための栄養補助食品としてのアプローチ」 – MDPI

別の研究ではゴーヤジュースがヒトの膵臓癌細胞に対して強力な抗癌効果を発揮し、その臨床的有用性が示されているそうです。

参考文献:「ゴーヤー果汁は細胞エネルギーセンサーであるAMP活性化プロテインキナーゼを活性化し、ヒト膵臓がん細胞のアポトーシス死を引き起こす」 – PubMed central

ゴーヤ成分の抗がん効果についてはまだ研究段階ですが、ゴーヤが体内のインスリン感受性を高め、肥満/II型糖尿病に関連する代謝異常を改善することが分かっています。

それによって糖尿病、肥満、高脂血症などの疾患に対する有益な効果が見込めるわけです。

さらに、ゴーヤの葉または果実の抽出物がさまざまな癌に対して抗腫瘍効果を発揮することが、いくつかの研究で実証されています。

参考文献:「ゴーヤー果汁が膵がん細胞におけるゲムシタビン耐性の分子機構を標的とする」 – International Journal of Oncology

ゴーヤのおすすめレシピ(ゴーヤジュースの作り方)

ゴーヤジュース

さて、ここまでゴーヤの期待できる健康効果を解説してきました。

ゴーヤのビタミンCは加熱に強いことからゴーヤチャンプルなどの炒め物にしてももちろん良いのですが、今回はゴーヤを生で利用できて存分にゴーヤの栄養価を摂取できるゴーヤジュースの美味しい作り方をご紹介します。

生のゴーヤは苦味が強いためスムージーやジュースにするにしてもそのままだと飲みにくいので、柑橘系とミックスして作ります。

ミキサーよりも、ジューサーを使った方がより滑らかですっきりしたジュースが作れるのでおすすめです。

材料(一杯分)

ゴーヤジュース材料

ゴーヤ(1/2本)
グレープフルーツ(1/2個)
しょうが(一片/10g)
キウイ(1個)

グレープフルーツは柑橘系の果物であればオレンジや甘夏でも可です。キウイはなくても大丈夫です。

柑橘系のフルーツとミックスすることで、苦味を中和してすっきりとしたゴーヤジュースができます。

ぜひお試しください。

この記事を書いた人:Marei Suyama
株式会社good umbrella代表。東京と岡山の山間部を行き来して生活しています。 持続可能な社会を作るため、また人々の健康のための役に立つ情報・tipsをご紹介します。有機食品・フェアトレード製品・健康生活用品、オーガニックコラムなど。
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