今や日本食を代表する料理の一つと言っても過言ではないほど、日本人に愛されている国民的料理の「カレー」。
家にある材料で作る一般的な欧風カレーをはじめ、インド料理やネパール料理のお店ではスパイスカレーをナンと一緒に楽しみますし、挽肉で作るキーマカレーや、タイのグリーンカレーやレッドカレーも辛くて美味しいですね。
今回はお肉を使わず、有機野菜と豆腐で作るヘルシーなビーガンカレーを作っていこうと思います。
ビーガンカレーレシピ動画
この記事でわかること
スパイスの効能
カレーの材料にスパイスは不可欠ですね。市販の固形ルーやカレー粉を使う場合でも、好みのスパイスを少し加えるだけで味に深みが増してとっても美味しくなります。
何より、古くから漢方薬にも使われた種々のスパイスには、食欲増進効果や消化作用の促進など、高い健康効果、さらに美容への有益な効能まで期待できます。
今回使うスパイスの中から「ターメリック」の効能とその効果をご紹介したいと思います。
ターメリック
近年最も注目されているスパイスといえばこのターメリック(別名ウコン)。スタバをはじめとした多くのカフェチェーンがこぞってターメリックラテ(ゴールデンミルク)を発売したり、カレー以外にも料理の色付けや煮込みのアクセントに使われます。また江戸時代には布や紙を染色するための染色剤としても重用されていたそうです。
ターメリックは、ショウガ科の植物であるウコンの根っこを乾燥させ粉末にしたスパイス。ターメリックの有効成分であり、黄色の色素を作る化合物である「クルクミン」はポリフェノールの一種で、肝機能、消化作用の改善(※1)や、その抗酸化作用によってアンチエイジン、関節痛などの痛みを抑える鎮痛効果や、いくつかの癌の成長を抑える働きも期待できるそうです。(動物実験の範囲なのでヒトを対象にしたさらなる研究が必要。)
ただし、ターメリックに含まれる有効成分の「クルクミン」は全体の3パーセントというごく一部なので、クルクミンの健康効果にあずかろうと思った場合は濃縮されたサプリや錠剤を使って摂取したほうが良いかもしれません。
とはいえ、ターメリックを黒胡椒と一緒に摂ると、その効果は20倍にも達するといくつかの研究(※3)によって明らかにされており、クルクミンと黒胡椒の成分である「ピペリン」の組み合わせが多くの健康的福音をもたらすことが示唆されています。(※4)
そんなわけでスパイスカレーには、胡椒も合わせて使うことをお勧めします!
※1 ラットの肝臓についての実験 – ダイオキシン誘発性酸化ストレスに対するクルクミン、β-ミルセン及び、シネオールの抗酸化効果
※2 クルクミンの動物・ヒトに対するピペリンの影響
※3 癌の予防化合物であるクルクミンとピペリンは乳房幹細胞を標的にする
※4 スパイスが乳房幹細胞の成長を止めることを発見(研究では、ウコンとコショウのスパイスに由来する化合物が、腫瘍の成長を促進する幹細胞の成長を抑制し、乳がんの予防に役立つ可能性があることが分かった。)
豆腐とほうれん草のビーガンカレー材料
・塩 10g
・木綿豆腐 300g
・ほうれん草 2束
・青唐辛子 3本
・にんにく 1片
・生姜 30g
・玉ねぎ 200g
・オリーブオイル 大さじ3
・ホールトマト 200g
・ココナッツミルク 200ml
(すべて有機)
・ホールスパイス (カルダモン×2粒)
・ターメリック 大さじ1
・パウダースパイス(クミンパウダー 小さじ1、コリアンダー 小さじ1/2、ターメリック 小さじ1/2、チリパウダー 小さじ1/3、ガラムマサラ 適量)
・ブラックペッパー 適量
・自然塩 小さじ2
豆腐とほうれん草のビーガンカレーの作り方
ターメリックライスを作る
米2合を洗い、少なめに水を張ってターメリックを加えて炊きます。
豆腐の水を切る
豆腐はパッケージから取り出して、ザルの上にあげます。
しっかりと水切りをして、適当な大きさに切ります。
ニンニク、生姜は細かいみじん切りにします。その際、できるだけ同じ大きさに切ります。
玉ねぎは粗めのみじん切り。
青唐辛子は輪切りにカットします。
ほうれん草を湯がく
鍋にお湯を沸かし、沸騰したら塩(お湯の1%量)を入れます。
ほうれん草の根っこの方からお湯に入れます。根元は20秒程度、続いて葉先まで入れて10秒ほどゆがきましょう。
※葉先が艶やかな緑色になったらすぐ取り出します。
茹でたほうれん草を絞って水を出しましょう。
キッチンペーパーで丁寧に水気を取ります。
適度な大きさに切り、フードプロセッサーで滑らかにする。
スパイスの香りを高める
鍋にオリーブオイルをひいて、カルダモンを弱火で炒めます。(この時、焦がさないように丁寧に炒める。)
※カルダモンは、中の種に香り成分(シネオール)が詰まっており、この香り成分を引き出すのがポイントです。カルダモンに内包されている水分がシュワシュワとでてきて、しばらくするとぷっくりと膨れ上がります。実に亀裂が入り、香りが立ってきたら取り出します。
材料を煮込む
弱火のままカットしたニンニク、生姜、青唐辛子を入れ、ニンニクと生姜が淡い狐色になったところで玉ねぎを入れます。
塩を振って、水気を出しながら炒めましょう。
※玉ねぎから水分を出すことでニンニク、生姜への火入れが止まるので、香りを保持できます。
玉ねぎがしんなりしてきたらホールトマトを入れ、トマトを潰しながら中火で10分ほど煮込みます。
水っぽさがなくなってきたらココナッツミルクを加え、ペースト上にしたほうれん草、スパイスを加えて味を整えます。
※パウダースパイスは粒子が均等になるように、事前によく混ぜておきましょう。(ジップロックに入れて振ると均等には混ざります。)
水切りしておいた豆腐を加え、ひとにたちさせたら完成!